漫画を翻訳する方法4選!市場規模からわかる漫画翻訳の重要性と注意点について解説
日本の漫画は世界的にも評価されている日本文化を代表するコンテンツです。
海外に向けて漫画を販売する際に必須な「漫画翻訳はどのように行うのか」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
本記事では、国内外の政府機関からも多数のご依頼をいただいているJOHOが漫画を翻訳する方法や翻訳時の注意点を詳しく解説します。
【この記事を読んでわかること】
漫画翻訳は、ただ言語を現地に合わせて翻訳するだけではありません。
そもそも漫画翻訳はどのようなことをするのか詳しく解説しているので、漫画の魅力を損なわずに翻訳したい方は、ぜひ参考にしてください。
漫画翻訳とは何をすること?言語を訳するだけではない理由
漫画翻訳とは、ただ言語を翻訳するだけでなく、キャラクターのセリフや擬音なども対象地域に受け入れてもらいやすいように最適化することです。
ただ言語を翻訳しただけだと、日本語の文法との違いから意味が伝わらない文脈になってしまう可能性があります。
そのため、吹き出し内の単語を読みやすい配置に変更したり、擬音にも翻訳テキストを適用したりとさまざまな工夫が必要です。
上記のように、特定の地域に受け入れてもらうための言語やデザインの変更を「ローカライズする」といわれています。
漫画翻訳において、日本語から外国語への翻訳はもちろん、対象地域の文化・習慣・宗教に合わせたローカライズが重要です。
>ローカライズ(localize) とは?翻訳との違いや対象となるサービスをわかりやすく解説
市場規模からわかる漫画翻訳の重要性
日本の漫画を世界に向けて翻訳する重要性について、世界の市場規模の成長と合わせて紹介していきます。
【市場規模からわかる漫画翻訳の重要性】
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
アメリカで日本漫画の市場規模が急成長している
漫画翻訳が重要視されている理由の一つに、アメリカで日本漫画の市場規模が急成長していることが挙げられます。
市場規模の予測では、2023年の9億3,520万ドルから2030年には38億8,740万ドルとなり、年間平均成長率は23.2%と推測(※)されています。
※出典:日本貿易興機構(JETRO)
もちろん日本で販売されている漫画が売れているわけではなく、アメリカの各地域に向けて翻訳(ローカライズ)された作品が対象です。
そのため、海外の市場規模の成長に合わせて、各地域で販売するための漫画翻訳が重要になってきています。
日本漫画の市場規模が成長している理由
日本漫画の市場規模が急成長している背景には、以下のような理由が考えられます。
【日本漫画の市場規模が成長している理由】
- デジタル漫画の普及によって手軽に読めるようなった
- 動画配信サービスの普及によって日本のアニメが海外でも見られるようになった
デジタル漫画が普及し、漫画を手軽に読めるようになったことで、さまざまな漫画作品が今までより多くのファンを獲得できています。
また、動画配信サービスが普及したことで日本のアニメが海外でも視聴できるようになり、アニメの人気が漫画の売上につながっています。
世界的に大ブームを巻き起こした「鬼滅の刃」などの人気アニメが注目を集め、漫画市場の成長に寄与しているといえるでしょう。
漫画を翻訳する方法【4選】
日本漫画を海外に向けて販売する際に必要な漫画翻訳の方法を4つ紹介します。
翻訳会社だけでなく、漫画専門の翻訳会社やフリーの翻訳家に依頼するなど、翻訳する方法はさまざまです。
以下では、それぞれの特徴や強みについて解説していきます。
翻訳会社
漫画翻訳する際におすすめなのは、さまざまな分野の翻訳実績がある翻訳会社に依頼することです。
【翻訳会社の強み】
- 翻訳可能な言語数が多い
- ネイティブチェック体制が整っている
- 無料見積もりで翻訳料金を試算できる
翻訳会社は、数多くの文書を翻訳できるように対応言語数が多い会社がほとんどで、さまざまな地域に対応できる特徴があります。
また、ネイティブチェック体制が整っている翻訳会社を選べば、対象地域の文化や細かなニュアンスも汲み取った翻訳が可能です。
翻訳料金は「1文字あたり」「1ページあたり」など、会社によってさまざまです。
まずは無料見積もりを依頼し、翻訳料金を試算してから依頼先を決めると良いでしょう。
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漫画専門の翻訳会社
漫画翻訳する際は、さまざまな漫画ジャンルの翻訳実績がある漫画専門の翻訳会社への依頼もおすすめです。
【漫画専門の翻訳会社の強み】
- さまざまな漫画ジャンルの翻訳実績がある
- キャラクターや作品の理解度が深い翻訳者が多い
- 漫画特有の表現に慣れている
漫画翻訳に特化しているため「ファンタジー漫画」「恋愛漫画」「ギャグ漫画」など、それぞれのジャンルに適した表現で翻訳できます。
また、キャラクターや作品への理解度が深く、個性や世界観を汲み取って翻訳できるため、作品の魅力が伝わりやすい点も特徴です。
一般的な翻訳会社に比べて対応言語数が少ない傾向があるため、事前に対応言語を確認しましょう。
フリーの翻訳家
漫画を翻訳する方法の一つに、フリーで活動している個人翻訳家に直接依頼する選択肢があります。
【フリーの翻訳家の強み】
- 過去の実績や対応言語がSNSなどから確認できる
- 納期や翻訳料金を相談しやすい
多くの個人翻訳家は、SNSやブログで過去の実績や対応言語を公開しているため、実力のある人に依頼しやすい特徴があります。
また、翻訳会社に比べて、納期や翻訳料金を交渉・相談しやすいのもポイントの一つです。
しかし、AIや翻訳ツールの普及によってツール頼みの個人翻訳家もいるため、依頼先は十分に検討することをおすすめします。
翻訳サイト・アプリ
漫画を翻訳するには、翻訳サイトやアプリなどの翻訳ツールを活用する方法があります。
【翻訳サイト・アプリの強み】
- 無料で利用できる翻訳サイトが多い
- 数分から数十分で翻訳できる
「Google翻訳」や「DeepL」などの翻訳ツールは、無料で翻訳できるものが多いため、コストを抑えたい方に向いています。
また、数分から数十分で翻訳できる点も翻訳ツールの魅力の一つといえるでしょう。
しかし、漫画特有の表現やニュアンスを汲み取った表現が難しいため、翻訳精度には期待できません。
漫画を商品として販売する場合は、翻訳会社や翻訳家に依頼することをおすすめします。
漫画翻訳するときに重要なポイント
漫画翻訳を自分で行う方も翻訳会社に依頼する方も知っておきたい重要なポイントを2つ紹介します。
【漫画翻訳するときに重要なポイント】
漫画翻訳は一般的な翻訳と異なり、ストーリーやキャラクターの個性を損なわずに対象地域に受け入れてもらうための翻訳が重要です。
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
ストーリーや世界観への高い理解度を持つ
漫画を翻訳する際は、物語の時代背景やキャラクターの個性に適した翻訳をするために、ストーリーや世界観への高い理解度が必要です。
漫画には日本語特有の表現も多いため、翻訳内容によって読者のストーリーの解釈が大きく異なる場合があります。
ただ物語の流れを理解しているだけではなく、キャラクターの職業や特徴、物語の世界観や舞台など、作品を深く理解しておきましょう。
翻訳を依頼する場合は、キャラクターや世界観が記載された設定資料などを用意しておくのがおすすめです。
必ずネイティブチェックを行う
漫画を翻訳して販売する際は、必ずネイティブチェックを行いましょう。
漫画ではイラストとテキストのみで世界観を伝える必要があるため、対象地域の方が読んだときに違和感のない表現になっているかが重要です。
スペルや文法に問題がないかだけでなく、吹き出しを読む順番や対象地域で使わない表現になっていないかチェックしましょう。
漫画翻訳するときに意識すべき注意点
漫画を翻訳するとき、翻訳内容を確認するときに意識すべき注意点を3つ紹介します。
【漫画翻訳における注意点】
それぞれの注意点について詳しく解説していきます。
ジャンルや読者層に適しているか
漫画のジャンルや読者層に適した表現や言葉遣いで翻訳できているか確認しましょう。
同じようなセリフでも漫画の世界観やジャンルによって、言葉遣いや表現方法が大きく異なる場合があります。
特にギャグ漫画で使われるギャグは日本語特有の表現が多いため、そのまま翻訳しても海外の読者には理解されにくいことが多いです。
そのため、対象地域の方の笑いの感覚に合わせた表現に翻訳することが重要になります。
セリフや擬音のニュアンスが適しているか
漫画を翻訳する際は、キャラクターの個性や擬音のニュアンスが対象地域に適しているか確認しましょう。
日本語では「私」「僕」「俺」「儂(わし)」「拙者」「あたし」など、一人称でもキャラクターの個性や特徴が表現できます。
しかし、上記を英語で表現すると全て「I」になるため、一人称以外のセリフでキャラクターの個性を表現することが必須です。
また、日本語に比べて英語などは擬音のバラエティが少ないため、対象地域にない擬音を漫画的な表現にできているかもポイント。
漫画翻訳では、ただ意味が伝わるだけでなく、キャラクターの個性や漫画的な表現に翻訳できているかが最も重要だといえるでしょう。
対象地域の文化・習慣に適しているか
漫画を翻訳する際は、日本と対象地域の文化や習慣の違いに配慮した翻訳ができているか確認しましょう。
例えば、日本語と英語の読み方には以下のような違いがあります。
- 日本語:縦書きで右から左へ読む
- 英語:横書きで左から右へ読む
日本の漫画を英語に翻訳した場合、横書きにはできますが吹き出しのサイズや位置は変えられないため、右から左へ読む必要があります。
対処法として、左から右へ読み進められるように漫画を反対にする「裏焼き」をすることも多いです。
上記のように、対象地域の文化や習慣に合わせて翻訳するのも漫画翻訳のポイントといえるでしょう。
漫画翻訳するなら経験豊富な翻訳会社への依頼がおすすめ
漫画翻訳は、ただ言語を翻訳するだけでなく、漫画の世界観を保持したまま対象地域に合わせた最適化(ローカライズ)が重要です。
日本語特有の表現やキャラクターの個性を損なわずに翻訳するためには、専門家に依頼することをおすすめします。
当社の翻訳サービス「JOHO」の特徴は、以下の通りです。
【翻訳サービスJOHOの特徴】
- 翻訳品質の高さが認められ国内外の政府機関から多くの依頼を受けている
- お客様の目的・使用用途に応じた表現になっているかネイティブチェックを実施
「漫画の魅力を損なわずに翻訳したい」「まずは翻訳料金について相談したい」という方は、ぜひお気軽に当社へお問い合わせください。
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