改行位置の違いで意味が変わる-タイ語翻訳の注意点-
タイ語は難しい!?
タイ語は、日本人にとって、習得するのに難しい言語とよく言われます。とはいっても、会話の80~90%を理解するために必要な語彙数は、日本語が10000語と言われるのに対し、タイ語はたったの2000語。むしろ簡単な言語に分類されるのでは?と思えます。しかし、タイ語を学んだことがある人に聞くと、口々に、「タイ語は難しい」「会話はまだしも、文章になると難解」と答えるのです。では、タイ語のどういうところが難しいのでしょうか?
タイ語翻訳の難しさ
タイ語の難しさは、まずこの画像にもあるように、タイ語の基本となる文字がそれぞれ似ていて違いがわかりずらい、という点です。これは初級のつまずきポイントですが、それ以外にもいろいろと難点があります。
たとえば、子音と母音に分かれた表音文字であるタイ文字は、複雑な作りをしています。母音の位置は、子音に対して上下左右という四方向あり、上の方に記号を書いたり、縦書きをすることもあります。そのため、文字のためのスペースが広く必要で、そのような複雑な処理に対応しているアプリケーションはあまりありません。よって、タイ語を機械翻訳で自然な日本語にするのは至難の業のようです。
次に、タイ語は、英語のような単語に分けて書くスタイルを取りません。英語は、単語ごとにスペースが入るため、初心者にも入りやすい言語です。日本語も、タイ語同様、単語ごとにスペースを入れる分かち書きをしないスタイルなので、この点は共通点といえます。
そして、タイ語では、改行の位置によって意味が変わるという特徴があります。これについて今回は詳しくお伝えします。
改行位置の違いで意味が変わるタイ語
日本語は、基本、文章のどこで改行しても意味は変わりません。また、英語やフランス語、ドイツ語などは、単語と単語の間にスペースが入っているため、改行をしやすい言語です。長い単語の途中で改行が入るときなどは、ハイフンを用いてわかりやすくすることもできます。
一方、タイ語は、改行位置によって、言葉の意味が変わったり、意味がなさなくなったりする、という注意点があります。わかりやすく日本語での例を挙げると、「ここではきものをぬいでください」という看板があったとします。真意は「ここで、履物を脱いでください」ですが、ひらがなで区切りもなく書かれていると「ここでは、着物を脱いでください」と受け取る人がいてもおかしくありません。そのような現象が、タイ語ではもっと頻繁に起こります。
その一例を挙げると、「お湯」という言葉はタイ語で「น้ำร้อน」と書きます。これは、水を意味する「 น้ำ」と、熱いという意味の「ร้อน」を合わせて表現したものです。この単語の中間に改行が入ってしまうと、「水」「熱い」という2単語に分かれてしまうため、「お湯」という意味をなさなくなる、という問題点が生じます。
それに加えて、タイ語では、句読点やハイフン、クエスチョンマークですら使用しないのが一般的です。そのため、どこで文章が区切られているのか、どちらの意味にも取れるがどちらの意味なのか、という疑問が湧きやすい言語なのです。
タイ語翻訳はプロの翻訳会社へ
今回の翻訳コラムでは、タイ語翻訳の注意点の中でも特に、改行位置の違いで意味が変わる点について解説しました。
タイ語の文章は複雑で、日本人には難易度が高く、文章の区切りがわかりずらため真意をくみ取るのが難解です。タイ語の文章の翻訳を外注する際には、現地の言葉と文化を十分理解し、文脈をきちんと把握できるプロの翻訳会社への依頼がおすすめです。翻訳会社JOHOでは、機械翻訳では判断しかねる、単語の意味、文章の真意をとことん追求し、ネイティブの校正者による丹念なネイティブチェックを実施し、翻訳原稿を仕上げます。お客様のご要望に柔軟に対応し、原文に忠実な翻訳を心がけています。タイ語の文章、書類、その他外国語の翻訳をご検討の方は、ぜひお気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。
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