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翻訳マネージャーコラム

100年前の文章は翻訳できるの?

2020年10月20日

100年前の文章は翻訳できるの?

私たちが日常的に使っている言語は、常に変化を遂げています。例えば、日本語では「ら抜き言葉」を使う若者が増えています。「ら抜き言葉」は、現代では誤りとされていますが、数十年、数百年という月日が経てば、「ら抜き言葉」が正しいとされる可能性は十分にあるといえます。

このように人々が話す言語は、私たちが気づかぬうちに変化しているので、100年前の文章を現代のものと比較してみると、言語によってはたくさんの違いが見つかるでしょう。ただし、言語が進化するスピードは、言語の規模(話者数)によって大きく異なると言われています。まだ研究段階ではありますが、「話者数の多い言語の方が、話者数の少ない言語に比べて、新たな語彙を獲得するスピードが速い」という仮説が立てられています。

100年前の日本語

まずは、私たちに一番馴染みの深い「日本語」の100年前について考えてみましょう。今から100年前といえば、明治時代。古文や漢文を書き下したような文章から、「ですます調」で文章が書かれるようになった時代です。しかし、仮名遣いに関しては、まだ歴史的仮名遣いが使われており、現代のものとは大きな違いがあります。

このように日本語は過去100年間で大きな変化を遂げました。ですので、明治時代の日本語に関する知識のない日本人の翻訳者が、いつものように日本語を外国語に翻訳できるかというと、少し難しいでしょう。

100年前の英語

続いて、「英語」の100年前を見ていきましょう。100年前の日本語の文章は、現代のものと大きな違いがあると説明しましたが、「英語」の場合はどうなのでしょうか?結論から言うと、100年前の英語の文章は現代のものとほとんど違いがありません。100年前の英語の文章の場合、2020年現在使われている「現代英語」とほとんど変わりがないため、問題なく翻訳をすることが可能です。

英語の歴史を振り返ってみると、5世紀にまでさかのぼり、古い英語は時代に合わせて3つに分類されます。

・5世紀〜:Old English
・12世紀〜:Middle English
・18世紀〜:Modern English

英語は長い歴史をかけて変化を遂げてきたため、直近100年での変化はあまり大きなものではありません。12世紀以降の「中英語」でさえ、現代の英語と7割は同じであると言われています。特に「発音」には大きな違いがあるものの、文書の場合、英語話者であれば、数時間の勉強で読解ができるようになるでしょう。

18世紀〜の近代英語に関しては、現在の英語にかなり近く、英語話者であれば特別な学習をすることなく意味を理解することが可能です。つまり、今から100年前(1920年頃)の文書であれば、現代の英語とほとんど変わらないといえます。

100年前の文章の翻訳難易度は言語によって異なる

ここまでで「英語」と「日本語」の100年前の文章について紹介しました。一口に100年前の文書といっても、言語によって「翻訳の難易度」は大きく異なります。100年前の英語の文章であれば、英語翻訳を得意とする翻訳者に依頼することで、問題なく翻訳してもらえるでしょう。しかし、100年前の日本語の文章であれば、ほとんどの場合、明治時代の日本語に関する知識を持った専門の翻訳者による翻訳が必要になります。

もちろん、文書の内容や媒体によって翻訳難易度に差はありますが、「言語」によって大きな差があるというのは間違いないでしょう。

古い文書の翻訳はプロの翻訳会社へご相談を

今回の翻訳コラムでは、日本語と英語を例にあげて「100年前の文章の翻訳」について考えてみました。一口に「100年前の文書」といっても、言語や媒体によって、翻訳難易度は大きく異なるということが分かっていただけたと思います。

100年前の文章や、それ以前の古い文書などを翻訳したいと考えた場合、どのような翻訳者や翻訳会社へ依頼するべきか迷ってしまうかもしれません。しかし、古い年代の文書であっても、言語によっては現代で使われているものとほとんど同じであることもあります。「この古い文書は翻訳できる?」など、古い文書の翻訳を検討されている方は、プロの翻訳会社への依頼がおすすめです。JOHOには、さまざまな言語のネイティブスピーカーが翻訳者として在籍しています。翻訳を検討している歴史的文書があるようでしたら、まずは一度お気軽にご相談ください。

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