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翻訳マネージャーコラム

インバウンドの多言語化を考える

2018年10月23日

インバウンド対策の実情

日本の政府は、日本の成長戦略の一つとして観光立国になることを掲げ、訪日外国人の数を増やす努力が見られます。そして現在は、過去の首相たちが目標とした訪日外国観光客数をはるかに上回る数の外国人が日本を訪れています。また訪日外国人の国籍も英語圏の国や中華圏・韓国にとどまらず、ヨーロッパや南アメリカなど様々な国からの旅行者も年々増えています。外国人観光客の増加に伴い、ここ数年ではインバウンドという言葉がメディアやビジネスの場面でよく使われるようになりました。インバウンドとは英語で「入ってくる」という意味で、つまり日本を訪れる外国人を指します。東京オリンピックの開催も間近に迫り、政府による観光地としての日本をPRする今、訪日外国人の数の更なる増加が見込まれており、インバウンド対策が推進されています。

近年「インバウンドの持つ不満」について調査が行われており、その調査によると、多くの訪日外国人が言語面において不自由を感じた経験があるということがわかっています。外国人に人気の観光地や大都市でもある東京や京都でも英語すら通じないというケースもまだまだ多いようです。また、日本のオフィシャル観光Webサイトなどで情報を集めることを望んでいる外国人観光客が多いようですが、Webサイトで外国語での対応がされていなかったりと、情報収集においても言語面で不便を感じている模様です。実際に2016年に行われた調査では、外国語対応がされているWebサイトは全体の5%にも満たないという数字が出ており、旅行レジャー業や飲食業が占める割合はとても小さいようです。

 

インバウンド対策の重要点

インバウンド対策には様々な取り組み方がありますが、特に観光業においては、各都道府県や市町村などの観光に関するオフィシャルサイトの多言語化、交通機関サイトおよび駅やバスのアナウンスや掲示の多言語化、宿泊や飲食業における情報サイトや個人のサイトの多言語化、メニューの翻訳などがあげられます。また英語や中国語に特に対応ができる人材の確保もあげられるでしょう。訪日外国人が困ることのひとつに、日本人とのコミュニケーションがあげられます。英語教育が施されているにも関わらず、外国語ができる人材の割合は未だ低く、インバウンドに対応しきれていないのが日本の現状です。ウェブサイトやメニューなどの書き言葉にしても、現地での話し言葉にしても、外国語対応の人材を確保し、訪日外国人とのコミュニケーションを円滑にすることが急を要するでしょう。

インバウンド対策で一番取り組みやすいのはやはりウェブサイトや、案内図・メニュー・パンフレットなどの外国語表記です。店舗のメニューを英語表記にするだけで、訪日外国人にとっては利用しやすくなりますし、ウェブサイトも多言語化するだけで、外国人観光客からのアクセス数は確実に伸びるでしょう。実際にアンケートでは、非英語圏の外国人観光客も、せめて英語での表記がほしいと望んでいることがわかっています。多言語化にするということは、それだけで訪日外国人に「私たちはオープンですよ」と、「日本人にだけビジネスをしているのではない」と伝えることもできるのです。外国人観光客の客層から利益を得るためにも、また土地それぞれの風土や文化を紹介するためにも、外国語表記を増やし、インバウンド対策を行うことは大変重要です。

 

インバウンドの多言語化

インバウンド対策を実施するにあたり、インバウンドの多言語化に関しても考える必要があります。現在日本を訪れる外国人は、中国、台湾、香港などの中華圏と韓国からが最も多く、他のアジアの国々や非英語圏からの観光客も年々増加傾向にあります。インバウンド対策の多言語化を考えたとき、英語だけでなく諸外国語の対応も求められています。実際に訪日外国人に対して行われたアンケートによると、Webサイトなどでの母国語表記を望む声が多く見られています。また同じ中華圏でも、中国と台湾・香港では表記法が異なるためそちらの対応も求められます。複数言語で対応を実施する際、考慮すべき点はターゲット層です。日本の観光地の中では、中華圏の人しかほぼ来ない箇所もあれば、韓国人が多く来るエリアもあるでしょう。アジアからの観光客には英語ができない人も多く存在しますので、たとえ世界の公用語と認識されている英語であってもそれだけで対応をするのは限度があります。臨機応変にターゲットの外国人層に見合ったインバウンド対策が大切です。

 

インバウンド対策の多言語化はプロへ依頼

ウェブサイトや案内図などの多言語化がインバウンド対策で一番取り組みやすいものの一つだと述べました。近年では翻訳ソフトもあり、諸外国への翻訳も容易にはなりました。しかし、安易に翻訳ソフトや、多少外国語ができる人に翻訳を依頼するのは危険です。翻訳とは、ただ単純に日本語から特定の外国語に置き換えればいいというものではありません。対応言語の仕組みや、その言語が話されている文化などに配慮し、正しく情報を伝える義務があります。例えば仏教のお寺に関する情報を多言語で説明する場合、仏教が根付いているアジア圏向けと、仏教が根付いていない欧米やアフリカ諸国向けのウェブサイトではもちろん情報量も伝え方も変わってきます。言語を話す人々の背景にあるものにまで配慮して初めてインバウンド対策といえるでしょう。自社のウェブサイトや案内図、パンフレットなどの翻訳や外国語表記の依頼は、ターゲットの外国語に関する深い言語知識と、その言語を話す国々の文化や歴史背景に精通するプロの翻訳家がいる会社を是非選んでください。

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