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翻訳マネージャーコラム

医学論文を翻訳会社に依頼する際のポイント

2018年09月26日

医学論文とは

医学論文の執筆は医療従事者および、医療を勉強している学生や研究者の大切な業務の一つとも言えます。新たな治療法を実施した場合や新薬の投与、珍しい症例などを他の医療従事者に向けて発信することは医学界への大きな貢献です。そして、英文で書かれた論文を国際的な医療学術雑誌に投稿し発表することが近年大変重要視されています。しかしながら、医学論文と一言で言っても、論文の種類はいくつか存在し、それぞれ論文のフォーマットも目的も異なります。医学論文を書いたり読んだりする人は、書く論文の種類の特徴を抑えておく必要があります。代表的な医学論文の種類としては、原著論文、総説論文、症例報告、エデュトリアル(編集後記とも呼ばれる)などがあります。

医学論文の種類

医学論文の代表的なものの一つが、新しい知見や研究内容を執筆した原著論文です。著者独自の研究および研究結果をまとめたものであり、基本的に学術雑誌に投稿した際には査読を経て掲載の可否が決定されます。英語でOriginal Article と呼ばれるように、著者の完全オリジナルの論文です。原著論文を投稿するにあたっては、他の雑誌に投稿もしくが掲載がされていない、未発表のものでなければいけません。原著論文の基本的なフォーマットは、イントロダクション、研究方法(メソッド)、結果、考察の順です。取り扱われるトピックや問題は1つで、客観的に研究方法と結果が記述され、それは再現性を持つものが原則です。 総説論文とは、先行研究を集め、それをまとめて発表する種類の論文で、英語ではReview Articleと呼ばれています。原著論文と違って著者のオリジナルの研究ではなく、特定のテーマのもと、それに関する研究を集め、概要の説明や今後の研究の動向などを示したものです。読者にとっては、特定のテーマについて全体像をとらえやすく、どんな論文が存在し、現在までにどのような研究が行われているのかを把握できます。 続いて症例報告も医療従事者がよく執筆する論文の一つです。珍しい臨床例や新薬投与後の経過観察、また未知の合併症などの報告書を指します。症例報告は実際の患者の経過を発表し報告するものなので、プライバシーの保護が重要なポイントです。また、英文における患者の描写にも注意が必要で、男性・女性の場合、「Male」、「Female」そして「Case」などと表記するのではなく「Man」、「Woman」と書きます。子どもであれば、「Boy」「Girl」と書く方が読者や他の研究者の心証が良くなります。 エディトリアルは編集後記のことです。あるトピックや問題について執筆者が自身の意見や見解を述べるものです。過去の研究について冷静に分析し、独自の見解を記述していることが特徴です。また一般の論文に比べて非常に短く、専門用語(jargon)も必要最低限に抑えられており、使用する場合はその定義も併せて記載しています。

医学論文の投稿

執筆した論文は学術雑誌に投稿し、査読を経て雑誌に掲載されます。査読とは他の専門家が投稿された論文を読み、検証、評価の上雑誌に掲載してもいいかどうかを決定するものです。雑誌にもよりますが、査読結果は一般的に投稿から約三か月後に出されます。各学術雑誌は基本的に、abstractの長さ、図表のフォーマット、記号のふり方、専門用語の定義など、論文の執筆に関する細やかな規定や独自のフォーマットを設けていることが多いです。論文執筆時には、投稿先の雑誌がどのような規定を設けているのかを必ず確認する必要があります。

医学論文の翻訳の依頼

日本語で執筆した医学論文を英文に翻訳するのを依頼する場合、いくつかの注意点があります。まずひとつめは、同じ専門分野の翻訳者がいる翻訳会社を選ぶことです。医学論文の翻訳とは、単に日本語を英語にする作業だけではありません。医学用語が使われ、文章を理解するのに専門的知識が必要とされる医学論文は、英語に精通しているだけでは翻訳ができません。高い英語力と医学に関する深い知識の両方が、良質な翻訳文に仕上げるのに必要不可欠です。医学と一言で言っても、医学は薬学、外科・内科、脳外科など分野は多岐に渡ります。自分が執筆した医学分野に精通する翻訳者がおり、なおかつ多くの実績と高い評価を持つ翻訳会社を探しましょう。また、英語・日本語の両ネイティブもしくはネイティブレベルで両言語を扱える翻訳者2人によって翻訳文を校正するシステムを採用している会社はより信頼がおけるでしょう。 そして、実際に依頼する際は、投稿先の学術雑誌の規定も翻訳会社にきちんと伝えておきましょう。既に述べたように、学術雑誌は Abstractの文字制限や図表のフォーマットに関して規定を設けています。Abstractは何文字以内なのか、図表のフォーマットや記号のつけ方も忘れずに翻訳者に伝えましょう。また論文には専門用語や固有名詞を多く使用する場合があります。特に固有名詞に関して希望する英語の言葉があれば必ず翻訳者に指定しましょう。

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