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翻訳マネージャーコラム

英語論文の特徴

2018年08月20日

英語論文を取り巻く環境

グローバル化とインターネットの普及、オンラインでの学術雑誌の発行数の増加に伴い、外国語で書かれた論文に簡単にアクセスできる時代になりました。また、英語の普及も留まるところを知らず、英語のネイティブスピーカーだけでなく非ネイティブスピーカーによる英文で執筆された論文も全世界にむけて発表されています。日本国内の大学生を始め研究者は、たとえ論文の執筆は日本語であっても、外国語、主に英語で書かれた論文を参考文献として読む機会が圧倒的に増えています。

論文の特徴:種類と構成

主にエッセイ、リサーチペーパー、卒業論文などが代表的な論文として挙げられます。エッセイはペーパーとも呼ばれ、一般的に聞く形としては大学の課題などで課される時はエッセイと呼ばれます。学会や学術雑誌などで発表する論文は一般的にペーパーと呼ばれ、学会のウェブサイトなどに行くと、「Call for Papers」と論文の募集掲示を見ることがあります。続いてリサーチペーパーとは、論文で掲げた問題点について調べ研究したものを、解決策の提示も含んで執筆したものです。実践的かつ実務的で、日本語では研究論文と呼ばれます。最後に学位取得のために執筆するのが卒業論文で、英語ではThesisと呼ばれます。
どの論文であっても基本的に英語の論文はフォーマットが決まっています。英語の論文の構成はタイトル、アブストラクト、イントロダクション、Theoretical Part、Practical Part、ディスカッション(考察)、結論、参考文献、Appendices(付録)からなります。もちろん、大学のクラスの課題であれば、要旨が必要でなかったり一部が除かれたりする場合もありますし、理系の実験をまとめた論文であれば構成が変わることがあります。
次にそれぞれの項目ごとに特徴を見ていきましょう。タイトルは名詞句になっていて、動詞が入れられることが原則的にありません。例えば、 “Problem-solving tasks promotes young learner’s thinking skills” のように文章ではなく、”Promoting young learner’s thinking skills with problem-solving tasks”と句になります。 アブストラクトはつまり要旨ですので、論文の主旨を簡潔にしかし十分に記述します。アブストラクトには何故この研究が行われたのか、論文にはどのようなパートが含まれており、どんなことが述べられているのかがアブストラクトを読んだだけで把握できなければいけません。
イントロダクションでは論文の最も重要なことと執筆者の一番焦点をあてていることを述べます。そしてイントロダクションには、執筆者が一番言いたいことを一文で記述するのが主流でそれは英語でThesis Statementと言われます。Thesis Statementは論文を通して一貫されています。つまりThesis Statementを読めば読者は筆者の考えを明確に知ることができます。
Theoretical Partでは研究に必要である知識やセオリーなどを述べるパートで、Practical Partは実際に行った研究(もしくは実験)について記述します。研究のメソッド(方法)と研究結果もここにまとめて記述されます。最後に研究結果に基づく考察と結論に続きます。

論文の特徴:文章

英語の論文で使用されるのは、もちろん学術英語つまりアカデミックイングリッシュです。アカデミックイングリッシュは日常で使われる英語とは大きく異なります。まず論文ではイントロダクションや、執筆者もしくは執筆者の研究チームを主語に置くしか方法がない場合を除いて一人称 “I”と “We” の使用は極力避けられます。その理由は論文は原則客観的に執筆されなければならず、一人称を使用すると主観的になってしまうからです。また、論文の目的を要旨やイントロダクションで述べますが、その場合も “I aimed~” よりも “The purpose of this thesis/research is~” が使われます。それに加えて“It has been discussed~” などを始めとする受け身形、Passive Voiceの使用も見られますが、文字数を減らすために無生物主語を起き、 “X is shown in the figure 1” ではなく、 “The figure 1 shows X” のような記述もよく論文では見られます。受動態と能動態の機能的な使い分けもアカデミックイングリッシュには不可欠です。また単語の選択も重要で、ラテン語を起源とする単語が主にアカデミックイングリッシュとされ、それらの学術的な単語を使用しなければどうしても稚拙な論文の印象を受けます。関係代名詞の多用も避けられ、 “would”、 “might”などを用いた婉曲的な表現は嫌われています。
英語の表現以外にも、論文は専門分野に関しての記述なので、もちろん専門用語が多く使われます。あまり一般的ではない専門用語であれば定義も併せて記載する場合もありますが、一般的に専門分野外の人が読むと、読解に苦戦する、もしくは内容が把握できないということも珍しくありません。

英語論文の翻訳

英語論文にはビジネス文書や文学、商業および観光業で使用されるどの英語とも違う、独特な特徴があります。論文の構成や各セクションの役割、使用される英語の表現から特定分野の専門用語など、英語の能力以外の知識も多く問われます。仕事や研究、学業などにおいて英語で書かれた論文を日本語に翻訳する、また逆の場合の機会も近年増えてきています。英語論文の翻訳は、科学、医療、政治、社会学、教育学などそれぞれの専門分野においてエッセイなどのアカデミックイングリッシュに携わってきた経験と実績を持つプロがいる翻訳会社に依頼することを強くお勧めします。

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