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工業分野で重要なSOPの英語翻訳とは?

2017年11月30日

工業分野で重要なSOPの英語翻訳とは?

海外のクライアントとのビジネスを進める場合に、最も重要視しなければいけないのは何でしょうか?
納期、コスト、相手クライアントの評判など、考え出せばキリがないほど出てくるとは思いますが、依頼された場合もっとも重要視するのはやはり実際の作業に関わる図面や手順書の存在ではないでしょう。
どんなに信頼関係が築けた相手でも、手順書が曖昧で何をどう作ればいいかわからない……そんな状態では、とてもプロジェクトを進められる状態であるとは言えません。
また、先方が用意する手順書が、日本語で書かれているとは限りません。
この手順書が本当に信頼できるものなのか、慎重に見極める必要もあるでしょう。
ところが、その分野での知識がどれだけずば抜けていたとしても、肝心の手順書が読めなくてはその知識を発揮することはできないはずです。
今回は、そんな工業分野の手順書の英語翻訳についてご説明します。

1. SOP・・・工業分野の手順書とは?

工業分野における手順書は、SOPと呼ばれています。
日本人にはあまり馴染みがない単語ではありますが、SOPとは「Standerd Operating Procedures」の略称で、業務の品質を一定のラインより下回らないように保持し均一にするための業務上の作業手順や進行上の細かい手順について、詳細かつ正確に記述した指示書のことを指します。
簡潔に言えば「作業するうえで守らないといけないルールやコツをまとめたもの」であり、部品の持ち方や持つ位置、組み付けの基準や使用する工具の検査規格などを記載したものになりますね。
日本人に馴染みのある単語で例えるなら、注意点を事細かに記載した、標準業務手順書やマニュアルといったものです。

たとえばとある会社で、工場で自動車を組み上げる仕事を行っているとしましょう。
この会社のSOPには、タイヤのボルトを締め付ける際の注意点が事細かに書かれています。締め付けるトルクなどについても数値が決められており、その記載があるはずです。
ところが、作業員にその内容が正しく周知されてなかったとしたら、どうでしょうか。
1日に何百台と作っている車のタイヤの締め付けトルクが車ごとにバラバラで、曖昧だったとしたら……。
もしくは同じ車の右と左で、取り付ける力がまちまちになってしまうかもしれません。
そんな車を街中で走らせてしまうと、走行中にタイヤが外れて、大きな事故に繋がる可能性もあります。
もし事故が起きたら、責任を被るのは作業員ではなく、指示をした企業です。そんな事故の危険性があることを認識していたにも関わらず、作業員に作業をさせたのですから。

2. 企業の信用を守るためのSOP

信憑性保証を行うにあたって重要な文書がSOPです。
もし、SOPで定義されている内容をよく理解せずに作業を始めてしまった場合には、当然正規の対応は行えませんから、数々のリスクが生じます。
当然ながら品質は保証されません。手順や注意点がわからないままで作業を行っているのですから当たり前のことでしょう。
また品質が安定しないため、再現性にも欠けますね。作ったものの品質にバラつきがあっては、粗悪品を引き当ててしまった消費者からはクレームが入ることになりますから、企業そのものの信用にもかかわります。
ビジネスにおいて大事なのは品質の高いものを、安定して生産することなのです。
イレギュラーな作業をせずにしっかりと作業手順書に則った作業をすることで、そのクオリティにバラつきを産み出さないように努めること。
そのためには、SOPの内容を細部まで理解しておかなくてはならないのです。

3. 海外でのトラブルを防ぐためのSOP

では国内では慎重にSOPの内容を読み解いて作業を勧められたとしても、これが海外のクライアントとの仕事であったなら、どうでしょうか?
実際に現地に赴いて、クライアントとの打ち合わせを行う場面を想像してみてください。
当然クライアントは、相手の母国語で話を進めていきます。目の前に差し出されているSOPも、日本語ではありません。
良い条件だったとしても、内容をあまり理解しないまま話を進めてしまったら、実は非常に危険な作業が必要になるような、とんでもない契約を結ばされているかもしれないのです。

海外におけるビジネスに注意をしなければいけない点は、国が違えば文化も異なるという点です。
日本国内ではホウレンソウという文化が根付いています。
報告、連絡、相談の略語ではありますが、業務を円滑に進める上で、これはとても重要な取り決めです。
末端の作業員の業務内容を上層部が把握することは、業務改善にも繋がります。
対して、海外では担当者自身のアイディアを重んじる傾向が強く、あまりホウレンソウという文化が無いようです。
すると、トラブルが起きてもそれがうまく上に伝わらず、事態への対応の遅れを招き、最終的に多額の損害を出してしまうようなケースもあるでしょう。
世界的に見れば、無用なトラブルの発生を防ぐためには、SOPの内容を正確に読み取ることは大切なのです。

4. 取り返しのつかない事態を防ぐためにも・・・

中国などアジア圏において、突如建物が倒壊した、ビルの床が崩落した、などという衝撃的なニュースを目にすることがありますよね
国が違うと建物の建築基準も異なるため、日本国内ではありえないほど柱や土台の基礎などの処理が簡略化されているために起こる事故です。
もし海外において大きなプロジェクトを手掛けたとしても、その建物に過失があり、事故を招いてしまい、損害賠償を請求されては目も当てられません。
日本での規格が当たり前と思って、何も確認せず作業を進めてしまうと、取り返しのつかない事態を招くこともあるのです。

多くの企業がそのようなリスクを避けるために、SOPの翻訳はプロの翻訳会社に依頼することが増えています。
特にこういった専門的な書類の翻訳は、その言語に対する知識だけでなく、分野ごとの専門的な知識を持っていないと行うことは難しいもの。
翻訳会社は言語ごとだけでなく、各分野の専門家を用意した上で、正確な翻訳を行っています。
プロジェクトを成功させる一番の近道は、リスクを極力避け、安全な方法を貫くこと。
翻訳に関しては、翻訳会社に依頼をすることが最も適切な方法ではないでしょうか。

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