他言語間翻訳の難しさ・英語とロシア語の違いとは?
技術が進歩した現代では、ビジネスといえば今や日本国内だけではなく、世界を相手にすることが当たり前となっています。
ですが、私たちの思いや考えを完璧に伝えようとしたとき、言語の壁という存在が高く立ちはだかります。
正しく伝えたと思っていても、受け手は間違った意味で捉えてしまい、そこからトラブルに発展することも珍しくありません。
他言語翻訳とは、そのようなトラブルを回避するために今、世界で最も必要とされている重要な取り組みです。
今回はその他言語の翻訳のなかから、英語とロシア語に存在する差異についてご説明します。
1. ロシア語はどんな言語?
ロシアと聞いて、多くの人が頭に思い浮かべるのは、やはり北方領土の問題についてでしょうか。
北方領土の所有権については現在も日本とロシアで交渉が進められている状態ですが、とある島内の看板などは全てロシア語で表記されています。
ロシア語という言語は、実はヨーロッパで最も母国語としての使用者が多い言語です。
国際連合においては、英語、フランス語、中国語、スペイン語、アラビア語と並ぶ6つの公用語の一つとなっており、母国語でない使用者も含めると、世界で4番目に多く使われている言語。
ですが、日本国内ではロシア語を見かけることはほとんどありませんし、仮に読み解こうとしてもアルファベット(ロシア語アルファベット、キリル文字)自体が特殊なため、日本人にとっては英語よりも馴染みのない言語であるといえますね。
英語は中学校で義務教育として習いますが、ロシア語は専門の大学や、自分から学ぼうという意思がない限り勉強する機会はまずないと言っても過言ではないでしょう。
ですが、データにもある通り世界で4番目に使われている言語。
ビジネスや交流の場でもロシア語が使用される機会はこれからも増えていくでしょう。
2. ロシア語と英語の違いとは?
では英語とロシア語を比較してみた場合、どのような部分に違いがあるのでしょうか?
英語とロシア語では、大きく異なることがあります。
文字の表記はもちろん、特筆すべきは文法の違いです。
ロシア語には英語と違い、名詞に「性別」があります。
男性、女性、中性に区別されており、主語によって動詞の語尾が変化することもあります。
また動詞の単語の使い分けが難しいことも、ロシア語のハードルが高い要因であると言えるでしょう。
ロシア語には「動詞に体がある」と言われます。
これはいったい、どのようなことなのか、簡単な例を挙げてご説明します。
たとえば「書く」という単語は、日本語では一つですが、ロシア語では二つに分けられます。
「書いている」や「何度も繰り返し書く」ことは「不完了体」と呼ばれ、「書く」や「書き終えること」は「完了体」と呼ばれます。
英語にも完了体そのものは存在していますが、ロシア語ではその区分がさらに細かく使い分けられているのです。
「行く」という単語ひとつをとっても、そこへは乗り物で行くのか、歩いていくのか。
乗り物の場合、船で行くのか、飛行機で行くのか。
片道だけの移動なのか、行って帰ってくるだけの往復なのか。
近場に行くのか、行ったことのない遠くへ行くのかなど、様々な状況に応じて使用される単語が全て違います。
英語や日本語のように補語を使うのではなく、動詞そのものを使い分ける必要があるために覚えなければならない単語の数も非常に多く、語彙が豊富な言語といえるでしょう。
そのためロシア語の翻訳を行う場合には、どうしても専門的な知識が必要不可欠となります。
英語の翻訳でも単語で訳すのではなく、文章などを読み解ける日本語力が必要だと言われますが、ロシア語の翻訳は英語以上に難解なものですから、その内容を正しい文章に仕上げるためには、並外れた日本語力も間違いなく必要となってくるのです。
3. 他言語の壁を乗り越えるには?
専門的なスキルを持たない人たちにとっては、他言語の壁を乗り越えるということは非常に難しい問題です。
ロシアの大統領であるウラジミール・プーチンは、母国語はもちろんのこと、数々の言語を多彩に使いこなすことができることで有名です。
それは彼がビジネスや政治における「言語の重要性」をよく理解しているからこそのことなのでしょう。
言葉が通じなければ、相手が何を思っているかもわかりませんし、こちらの意思も伝えることができません。
ですが専門的な知識を持ったプロフェッショナルの翻訳者でも、頭を悩ませる種はあります。
それは「翻訳版」という存在が、受け手にとっては唯一無二の「真実」になってしまうということです。
他言語を読めるスキルがない人々にとっては、海外の情報を知るためには自国の言葉に翻訳された新聞やニュースに目を通すしかありません。
もし仮に、翻訳者が原語に潜んでいたニュアンスを取り漏らし、冗談めいて放った言葉をストレートに訳してしまった場合、スキルがない人たちにはその言葉の真意を調べる術もないのです。
たとえばトランプ大統領の発した数々の過激な発言について、新聞紙面ではどのように翻訳をするべきなのか、担当者は頭を悩ませたことでしょう。
なぜなら、そこに記載された翻訳版の言葉は、トランプ大統領本人の言葉として人々に届けられてしまうのですから、これは並大抵なプレッシャーではありません。
誤った情報を世界に発信しないよう、細心の注意が必要となることは言うまでもないでしょう。
4. 他言語翻訳は翻訳会社へ
現代の日本では、英語だけでなく他の言語についての専門的な知識を持った人間を抱える「多言語翻訳」を請け負う翻訳会社が増えつつあります。
並大抵の知識では翻訳会社の仕事をこなすことはできませんから、翻訳者になるにはトライアル試験を受ける必要があります。
正確性と速度、そして内容が正しく伝わる表現力をチェックされる厳しいトライアルに通過したものだけが、他言語翻訳のプロフェッショナルとなれるのです。
もしあなたのビジネスにおいてロシア語などの他言語の翻訳が必要な場面に遭遇した場合、間違っても自分で行おうと考えないほうが良いでしょう。
ひとつの誤訳が引き金となり、それが重大なトラブルを招くこともあるからです。
そのようなリスクを回避するために、ビジネスにおける多言語翻訳には――それが後々の成功にもつながるのですから、最大限に翻訳会社を活用してください。
お見積もりは無料です。お気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。