トランプ大統領就任におけるTPP離脱とその問題点
トランプ大統領・TPPとその翻訳の重要性
2016年の10月から12月ごろ、日本はあるニュースでもちきりになっていました。それはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の承認案と、その関連法案についてのニュースでした。
同時期、アメリカでは次期大統領選が行われ、結果としてクリントン候補を退け、ドナルド・トランプ氏が当選しています。トランプ大統領には思ったことをその場ですぐ話してしまう傾向があり、またその発言内容も、大統領としての立場をわきまえて発言しているのかと、問題視されています。
実際のところ、トランプ大統領の本心はトランプ大統領にしか分からないので、何とも言えません。
ひとつだけ間違いないのは、トランプ大統領の発言は世界的に影響力が絶大である、ということ。彼が発言したことや政治に関する文章、スピーチなどを正しく理解できなければ、日本のかじ取りも危ういものとなるでしょう。
そこで今回は、TPPのニュースなどを事例にしながら、改めて翻訳作業の重要性について考えていきたいと思います。
1. TPP協定文の7割が未翻訳のまま1?
トランプ大統領は選挙期間中から、「大統領に就任したら、TPPからは離脱する」と公約に掲げていました。その人が大統領になったのだから、TPPの交渉を進めていた日本政府は大変だったでしょう。TPPに関することは予定していない方向に進むことになりました。
しかし、もっと問題なのは、TPP協定文をほとんど未翻訳のまま、法案を作ろうとしたことです。
2016年11月、『Business Journal』に次の記事が掲載されました。
『国会に提出されているのはTPP承認案・関連法案だが、同法案は以下をTPP協定関係法律整備法案としてまとめたものである。
・関税暫定措置法の一部改正
・著作権法の一部改正
・特許法の一部改正
・商標法の一部改正
・医薬品医療機器法の一部改正
・独占禁止法の一部改正
・畜安法、糖価調整法及び機構法の一部改正
・地理的表示法の一部改正
8400ページに上るTPP協定文のうち、日本語訳されているのは2400ページであり、全体の72%は翻訳されていない。この点は、野党から強く批判されている。』
大きく法律が変わるのだから、これらは本来、翻訳されていなければいけないことでしょう。しかし、本当に7割もその内容が翻訳されていないとすれば恐ろしいことですが、同時に翻訳が正しく行われていないと、意味が正しく伝わりません。
それでは、「翻訳を正しく行う」とは、一体どういうことなのでしょうか?
2. 正しい翻訳文のために必要な校正と校閲
正しい翻訳文を作るためには、「校正」の作業が必要不可欠です。
「校正」(文字校正)とは文字の誤字、脱字といった単純誤植をチェックする作業のことを言います。
まず初校(最初に原稿をもとにして組まれたもの)で誤字・脱字を指摘。再校(二回目の校正紙)で、その指摘が反映されているかどうかを確認します。
よく「校正」と似たような言葉として「校閲」が挙げられます。本来は異なる作業ですが、「校閲」も含めて「校正」と呼ぶ場合もあります。
ただ、もともと校正とは誤字・脱字を指摘し、細かい修正を加えたりするもの。対して校閲は、原稿を客観的な視点で読み、内容を検証するものです。
たとえば、原稿に書かれている内容が正しいのかどうか、調べて間違いがあれば修正するか、執筆者に指摘を入れたりするのが、校閲の仕事になります。
翻訳の仕事において「校正」といえば、誤字・脱字をチェックするだけにとどまらない場合がほとんど。いわゆる「校閲」の範囲まで行うのが、翻訳会社にとっての「校正」です。
なぜ、校閲も含んだ校正を行うかといえば、理由のひとつに「ダブルチェック」があります。
翻訳会社の多くは、翻訳者が翻訳したものを文字校正し、さらに正しい表現になっているかどうかネイティブがチェックする「ダブルチェック」体制をとっています。
ただ単にキレイな英語に翻訳されているだけでなく、英語表現として正確か、もしくは読みやすいか、時流に沿っているか……など、英語を母国語とするネイティブが確認するのです。
もちろん、事実関係もチェック=校閲を行います。
逆に言えば、翻訳会社を選ぶ際には、このダブルチェックを行っているかどうかも大きなポイントとなるでしょう。
3. 他言語への翻訳が困難な日本語だからこそ・・・
翻訳者というのは、言葉を扱う仕事です。しかし、ただ言語を変換するだけではありません。
その言語のネイティブの人が聞いて、すんなり理解できるように文章を組み立てなければいけないのです。そして、もちろん文章の校正・校閲の作業ができなければいけません。
そもそも言語の変換というのは、とても難しいものです。非常に困難なものがあります。
たとえば「あの俳優、渋いよね」の「渋い」といった表現は、海外へ行くとその“感覚”の翻訳が非常に困難だと言われます。
また、「もったいない」という言葉も日本語独特の表現であるために、そのまま「もったいない」という言葉が使われているケースもあります。
翻訳者の仕事の様子をみれば、文章を仔細に表現していく様は、“職人”という言葉がピッタリではないでしょうか。
4. 専門知識が必要な翻訳は翻訳会社へ
翻訳会社に仕事を依頼したいと思った時、まずはインターネットで検索してみる人が多いでしょう。
翻訳会社には、各専門分野のエキスパートと言える翻訳者が登録しています。法律であれば、法律の専門の翻訳者がいるので、依頼主は完成度の高い翻訳文を手にすることができるでしょう。
なかには24時間依頼を受け付けている会社もあり、いつ依頼しても万全で、あなたの依頼を受けいれてくれる会社が見つかるはずです。
TPPのような重要なニュース、法律のように専門性の高い分野、もしくはトランプ大領のような重要人物の発言など、お仕事で翻訳が必要な場合は翻訳会社にご相談ください。
お見積もりは無料です。お気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。