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翻訳マネージャーコラム

日本語と英語の住所表記の違いとは

2017年09月21日

日本語と英語・住所の書き方の違い

あなたは学生時代に、「英語は結論から言う言語。日本語は先延ばしする言語」。なんていうことを聞いて教わったことはありませんか?
英語と日本語は語順が全く違う言語なのです。また、日本語は主語を省略することがよくありますが、英語では主語は省略せずに必ず書きますね。このような差が翻訳したときに、言葉として妙な違和感が生じるのです。
実は住所の書き方にもその特徴はあらわれています。
そこで日本語と英語、その住所の書き方の違いを見ていきましょう。

1. 英語と日本語の住所の書き方

英語では住所の書き方が日本とは全く逆になります。例を作成してみました。
※実際のアメリカ、ニューヨークのラコステの住所と、架空の部屋番号、架空の人物を使用しています。

Mr. John Smith
Lacoste Madison Avenue Boutique
#325
575 Madison Ave,
New York,
NY
10022 USA

この住所はどのように成り立っているか見ていきましょう。

・Mr. John Smith … まず受取人の名を記入します。まず最初に、宛先が誰であるかを重要視することが、これだけでもよくわかります。
・Lacoste Madison Avenue Boutique … 社名や店名などを記入します。
・#325 … 室番、部屋番号、Suite 番号などを書きます。部屋番号222号室の場合、Rm 222、Room 222などと記入します。
・575 Madison Ave … これが通りの名前は番地になります。

上記のような道に番地をつけて表記する住所表記法のことを「street address system」といいます。
「street address system」では、例えば南北に走る道が「avenue」、東西に走る道が「street」などのように、avenueとstreetの使い方が決まっていることがあります。

・New York … 市になります。Cityという区分になりますが、このCityをつけることはまずありません。
・NY … これが州になります。こちらもStateという区分になりますが、City同様Stateをつけることはまずありません。
・10020 … zip codeと呼ばれるもので、いわゆる郵便番号です。
・USA … 国名になります。United States of America の略になります。

日本の住所を英語で書く場合は
173-1111 東京都板橋区板橋町0-0-1 ※架空の住所で例を作成しています。

0-0-1,
Itabashi-machi,
Itabashi,
Tokyo,
173-1111
JAPAN

上のように郵便番号が一番最初に表記され、続いて都道府県名、市区町村名、町域名、何丁目、何番地と書いていくのが一般的です。
郵便番号が7桁になってから、都道府県名や市区町村名は省略してもよいということになっていますが、上のような書き方がまだまだ一般的と言えます。

2. 日本語と英語、なぜこのような違いが出るのか?

このように英語を使う国のなかでもアメリカでは、番地があり、次に通りの名前、市、州と来て、最後に国名というのが普通です。多くの婆遇い、日本と米国では様々なものが逆になります。
他の例では日付なども、順番が逆になっています。2017年4月1日と記載するとしたら、April 1, 2017と書きます。順番は月、日 、年という形になっています。なお、イギリス式だと日と月が逆になります。
アメリカとイギリスを比べただけでもわかるとおり、同じ英語でも概念が国ごとに違うのです。やはり「欲しい情報」の順番が日本とはそもそも違うということです。

住所はその典型です。自分という存在を、どのように捉えているのか? セルフマネージメントの違いが関係しているのでしょう。
アメリカ式はまず自分の名前を書き、次に番地のような細かいところ、最後に州名といった順番で、外に向かって書いていくことが、自我というものを強く意識しています。
全く逆なのが日本式です。自分を取り巻く大きな存在から書きはじめ、だんだん自分に近いところを示して、最後に自分の名前を書きます。
この自我を強く意識した物の捉え方、概念は住所や日付だけでなく、会社のポジションの書き方において、顕著にその差を知ることができます。
ほぼすべての海外の会社の名刺を見るとこの語順で書いてあります。
※架空の名前、社名です。

John Smith
Store Manager
ABC store.

まず自分という存在があってはじめて、その次に職務があり、その次に会社が来るという、まず「自身を主張したい」という世界観があるからかもしれません。
対して日本の書き方には、「謙虚」の概念が強く感じられます。あくまで自分という存在は、周りの環境によって、生かされているということなのでしょうか。自己主張が控えめなことに美徳も感じられます。

3. 日本語と英語、文法的語順の問題

この語順の差は、英語と日本語の文法的構造が決定的に違うということが、この問題を助長しているという点は否めません。
英語は語順が違うと意味が変わるか通じないことがほとんどです。日本語は「て」、「に」、「を」、「は」等の助詞があります。そのため、ある程度語順がばらばらでもつじつまを合わせて、意味もほぼ変わらずに伝えることができます。例えば、「太郎はアマンダが好き。」という言葉を『アマンダを太郎は好いている。』と語順を変えることは可能です。
しかし、「Taro likes Amanda.」を、「Amanda likes Taro」と語順を変えると、意味がまったく変わってしまいます。
この例をとってみても、アメリカなどの英語圏は語順を重視して意味を捉えようとしていて、日本語を使う日本人は個々の単語の意味を重視して全体の意味を捉えようとすることがよくわかります。
英語を扱うときは、単語だけに目を向けるのではなく、文章にして単語を覚えていくと、日本語を無理やり英語に直して考える癖はなくなり、自然と脳が違和感なく、英語は英語の組み立ての中で考えることができるようになります。

4. 言語の理解が難しいときは翻訳会社にご相談ください

日米の住所の書き方の違い、そしてその根底にある物事の捉え方の違いがお分かりいただけましたしょうか。
私たちが思っている以上に、英語を母国語としている人たちとの感性が違うのですね。
そんな難しい概念の差を含めて、言語変換をしてくれるのが翻訳者です。
翻訳者はそれぞれの分野での専門知識を有しながら、その専門用語を最も伝わりやすい言葉を選んで、翻訳を行っていきます。当然、住所の書き方も把握しています。
仕事の場などで、確実な翻訳文が欲しいときは翻訳会社にご相談ください。

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