工業分野の翻訳依頼時の注意点
画像・図解つきの説明書はどのように翻訳すべきか
工業分野の翻訳は、「実務翻訳」「産業翻訳」「ビジネス翻訳」などとも呼ばれており、翻訳市場の中では9割を占める割合で需要を持っています。
翻訳業界では、様々な分野での翻訳をしており、その分野ごとで専門的な知識を持った人が翻訳をしています。工業分野であれば、その技術に関する知識を持っていることは必須です。
今回は、工業分野における翻訳、画像などを含めた説明書などの翻訳などに焦点をあてます。
1. 工業分野の翻訳とは
どんなジャンルであっても翻訳を行うにあたって必要なのは、翻訳をする内容に対して背景知識を持っていることです。
いきなり未知の分野について詳しい文書を書いてほしいと言われても、それが英語などの外国語ではなく日本語であったとしても、全く知らないものを説明することはできないでしょう。
翻訳業を営むにあたって「この分野で頑張る!」と決めた分野があるならば、そのジャンルに関してコツコツと調べたり、時には学者や専門家のように論文を熟読したりして、バックグラウンドを固めていく必要があります。
工業分野の翻訳は技術文書を翻訳するといったことが多く、取扱説明書や作業指示書などのマニュアル文書や、数々の仕様書、技術論文などの翻訳も行います。
理系ならではの考え方や表現の仕方などを理解しておくことが大切で、この点を踏まえた上で、語学力や日本語に訳す際の表現力などの書く力を求められるのです。
日本は貿易において輸入量より輸出量のほうが多いため、日本語から英語など他言語への翻訳の需要が高いと言われています。
今後、日本だけでなく世界的に経済が好調となれば、より活性化していける分野と言えるでしょう。
2. テクニカル・ライティングの技術
工業分野にとって、「テクニカル・ライティング」の力はとても重要です。
「書くことが好き」という方は、小説家やコピーライターのような「クリエイティブ・ライティング」を好きと言っていることが多いようです。
これは創造力を働かせて人の気持ちなどを組み入れた情感豊かな文章のことです。「文章を書く人」というと一般的にクリエイティブ・ライティングの方を指す場合が多いでしょう。
しかし、工業分野において必要なことは感情などを組み入れた文章ではなく「事実を正確に書く」という力。テクニカル・ライティングは技術情報を対象にした文章を指し、分野の内容を全く知らない人が読んでも理解できる書き方を指します。
必要な情報を的確に伝えることができる文章を書く。製品の利便性を簡潔に理解してもらえるようにする。
このように論理的に考え、構成し、表現できる方法がテクニカル・ライティングなのです。
また、ビジネスの世界ではスピードも大切です。相手に簡潔・明瞭に自分たちが開発した製品の良さを伝えることができたら、交渉がスムーズに進みますよね。自分も相手も時間を無駄に費やすことなく、どんどん話を進めていくことができます。
営業マンなど、会話であれば難なくできるかもしれないことでも、専門的な分野の文章を書くとなると、なかなか整理して書くことができないという人は多いでしょう。
しかし、専門的な分野であっても、翻訳会社などにお願いをして専門的に学んだ人が的確に翻訳をすることで、正確で分かりやすい文章を提供してもらうことができるのです。
3. 画像や図解つきの説明書の翻訳
画像などがついている説明書ももちろん、他の取扱説明書と同様に正確さを重視した翻訳をしていきます。
画像や図解がつく、より分かりやすく相手に伝えられるようになっていますが、言葉の力ですでに備わっている伝わりやすさを損ねることがないようにすることが大切です。
自分の感情や憶測などを交える事なく、事実のみを丁寧に記すことで誰が読んでも分かる説明書を作成することができるのです。
ここでやはり必要なのは、テクニカル・ライティングのスキル。
画像や図を上手く使い、読みやすい文章に仕上げていくことで専門的な技術文書を作ることができます。
表現方法の統一も大切なポイントでしょう。行間・使用書体・フォントの大きさなど文字に対するものの他に、画像や図をどのように表示して説明文書と合わせていくかなど、依頼者と共に事前に打ち合わせをしたほうがよいでしょう。
本来専門的な内容である文書を、誰が読んでも理解できる文書に翻訳するというのは難しいものです。背景知識を踏まえ、部分部分に細かな説明も取り入れつつ原本を正確に翻訳しないといけません。
工業分野・技術翻訳専門の翻訳者はたくさん存在します。もし、少しでもミスがあった場合には、その製品などの信用度だけでなく、会社全体の信用にも関わってくることになりかねません。
高度な内容になればなるほど、その筋の専門家にお願いして対応してもらったほうが賢明と言えるのではないでしょうか。
4. 画像・図解の説明書の翻訳は正確さが重要
工業分野の翻訳において一番大切なのは正確性です。その書類の目的や対象としている読み手などを踏まえて的確に翻訳をしていくことが翻訳者にとって不可欠なスキルと言えます。
依頼者側からは他にも要望が出てくることも多いので、小まめにコミュニケーションをとりながら、不備のないようにしていきましょう。
見出しや段落なども論理的に構成し、正しく適切に表現していく。そして簡潔である。要点がどこへ行ってしまったのかわからないような回りくどい説明は必要ありません。
特に、画像や図などを取り入れた説明書となると、分かりやすさを重視したくて画像などを挿入しているのですから、なおさら理解しやすさに重点を置く必要があります。
また、画像などがたくさんあるとページ数が多くなることも懸念されるため、一文を短くしたリズム感のある読みやすい文に仕上げるとよいと思われます。
画像や図解は「見ればわかる」というわけではありません。一つひとつに説明・解説を必要とし、その文書と共に補完しあって初めて、初見でも理解しやすい説明書となります。
翻訳者の方は、意味の取り違えなど、誤解をまねくことが無いように十分に気を付けた翻訳を心がけてください。
そして画像や図解つきの説明書の英語翻訳でお困りの方は、ぜひプロの翻訳会社にご相談ください。
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