株式譲渡に関する英語翻訳
専門家でも難しい株式譲渡・事業譲渡に関する英語翻訳
株式の譲渡に関しては、比較的自由が認められているようです。
額面どおりの金額で売買することも可能ですし、それ以上の高額取引になっても問題はありません。有償譲渡だけではなく、無償譲渡も可能です。完全に無料で株式を譲渡することもできます。
とはいえ、わずかな株式であればそれほど大きな問題に発展することはないかもしれませんが、これが会社の大部分を占める株式である場合は、当然その会社の将来に影響するので規定は存在します。
仮に問題がない譲渡だったとしても、契約書などしっかり書面にしておかなければ、後々のトラブル発生の引き金にもなりかねません。特に、事業譲渡となると、細かい部分までの明確な取り決めが必要です。
経済の世界がグローバル化し、海外の資本が日本企業に投資されることも多くなり、それに伴って株式の売買も盛んになってきました。
海外の企業の事業を買収するケースもあります。この場合、コミュニケーションのツールは英語になり、契約書の内容も英語に翻訳しておかなければならないことが多くなるでしょう。
英語に堪能であることだけでなく法律にも精通していなければ翻訳は難しい作業となります。
今回は株式譲渡、事業譲渡の契約書の翻訳について触れていきます。
1. 株式の譲渡についてポイント
株式会社を設立する際には、株式を発行します。
たとえば1株2万円で500株を発行したとします。すると資本金1000万円の会社が誕生するのです。この場合、500株に出資した人のことを「発起人」と呼びます。会社が設立した後は「株主」となります。
会社の経営権は取締役にありますが、多くの会社では筆頭株主と取締役を兼業しています。
つまり取締役を辞めることで、株主も辞めたい、だから株式を第三者へ譲渡したいという話になります。他にも、事業そのものをすべて譲渡したい場合に株式の譲渡が発生します。後継者に事業を譲るケースも同様です。
株式売買の価格は自由に設定できますが、高額な場合は譲渡所得税の支払いもありますので注意してください。
また、非公開会社の株式を売買する場合は、その株式会社の承認が必要になります。
役所などの手続きの必要はありません。要は、その会社内部でしっかりと処理されていれば問題ないわけです。
逆に契約自体が有効でも、株式会社の承認を受けていない状態だと株主名簿に記載されることはありません。株主として認めてもらえないことになるのです。
株式譲渡の際にはまず、以上の点に注意しておかなくてはなりません。
2. 株式の譲渡制限・みなし承認について
しかし株式の売買が自由だとすると、会社にとって好ましくない相手に株式が譲渡される危険性があります。そのため株式には譲渡制限が付いているのが一般的です。
中小企業であれば、該当するところが多いでしょう。こちらは会社の定款に規定されていますし、会社の登録事項証明書の株式譲渡制限の欄に規定されています。
ちなみに、株式の譲渡を承認する機関は取締役会です。取締役会非設置の会社であれば株主総会になります。
「みなし承認規定」というものもありますので、注意してください。会社への譲渡承認請求から2週間経過し、会社から通知が無い場合はその請求を承認したものとするというものです。
不承認の通知を出した場合は、そこから40日以内に会社がその株式を買い取る通知をしなければなりません。それを怠った場合も「みなし承認規定」が適用されます。この場合は会社にとって好ましくない第三者に株式が渡ったことを示しています。
3. 株式譲渡の流れ
株式譲渡は一般的に、次のような流れで行われます。
a. 株主から会社に対して株式譲渡承認の請求を行います。
b. 取締役会により臨時株主総会の開催が決定され、その召集通知が他の株主に送られます。
c. 承認した旨の通知が株主に送られます。
d. こうして株式譲渡契約の締結の準備がなされるのです。
株式譲渡に関しては、株主総会議事録などの書類だけあれば問題ないと考えている方もいますが、これは後々のトラブルに発展しかねません。
株主総会が実際に開催されていなければ誰でも訴訟できるのです。しっかり株主総会が開かられ、決議された状態で株式の譲渡を行うようにしましょう。
株式譲渡の契約に関しては、株式譲渡契約書だけでなく、臨時株主総会議事録や株式譲渡承認通知なども必要です。
契約については、プロのアドバイスを参考にしなが進めてください。海外企業が相手の場合は英語に翻訳した書類の添付も必要なので、翻訳会社に依頼するのが一番効果的だと思います。
契約書類に関して経験豊富なスタッフがそろっていますし、正確なアドバイスを受けることもできます。
4. 株式譲渡と事業譲渡の違い
事業譲渡は「Asset Purchase Agreement」、通称APAと呼ばれています。これは“ダイレクトに”会社を買収する手段です。
こちらは株式譲渡と異なり、株式だけでなく会社のすべての財産を引き継ぐことを指します。そのためには対象財産の明確化が必要です。
従業員に関しては、個別の同意が必要です。ライセンサーの承認についても確認が必要でしょう。リース会社への承諾も求められます。
株式譲渡と異なり、事業譲渡は買収対象会社以外にも関係各所への承認を得なければいけません。
基本的に買収した会社には、買収会社の債権・債務関係は影響を及ぼさないようになっていますが、売掛の一部の回収をどうするのか、従業員への報酬などの負担をどうするのかの取り決めは明確にし、契約書に記載します。
このように株式譲渡や事業譲渡はケースバイケースです。状況によって契約の仕方からそれまでの準備が大きく異なってきます。
最も心配なのは、契約が成立した後に問題が起こり、契約が破棄されてしまったり、決議が無効になることです。
そうした様々なリスクを想定し、情報を充分に入手しましょう。手続きに必要な書類に関しても、漏れがないようにすることが大切です。
会社の将来を担う大切な契約ですから、細心の注意を払う意味でも、株式譲渡・事業譲渡に関する書類の英語翻訳については、ぜひ翻訳会社にご相談ください。
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