OEM契約に関する英語翻訳
OEM契約に関する英語翻訳
ビジネスの社会がグローバル化していくにつれ、日本企業も海外企業や海外の工場などと連携するケースが多くなってきています。
たとえば自社のブランド製品を安い経費で生産するために、中国やベトナムの企業に依頼したりするものです。
最近はOEM生産が増加しています。OEM生産によって、生産ラインを持たなくても自社ブランドの製品を製造し、販売することが可能になりました。
この場合、一つひとつの部品をいろいろな下請け工場に発注し、それを組み立てて自社製品化するのとは異なります。委託者は受託者に完全に製品を製造してもらい、自社のブランドとして販売するのです。
OEMには互いにメリットもあればデメリットもあり、そのために契約書は複雑化します。しかも相手は日本語が通じない海外の企業ですので、契約書の英語への翻訳も必要です。
契約書に不備があるとOEM生産への損害だけでなく、自社のノウハウや技術が盗まれるだけの結果にもなりかねません。製品の横流しなどの犯罪行為も発生する場合もありますので、様々なケースを想定して契約を交わすことが大切です。
今回はそんなOEM契約の翻訳についてご紹介します。
1. OEM生産とは
OEMとは「Original Equipment Manufacture」の略称で、直訳すると「委託者商標による受託者製造」という意味です。
時代の移り変わりによってややニュアンスも異なってきていますが、他社ブランドの製品を製造することや、それを製造する企業を指し、OEM契約やOEM生産というように用いられます。
OEM生産とは、委託者が製品の設計図や製品の組み立て図面などを受託者に支給し、受託者に製造してもらうシステムです。委託者は技術指導も同時に行う場合もあります。
こうして製品化したものを、委託者は自社のブランドとして販売するのです。
似たような言葉にODMがあります。こちらは「Original Design Manufacture」の略称で、いわばOEMが進化したものです。
台湾や中国の企業に多く見られるシステムですが、受託者は製品の設計や製造、製品開発まで行います。さらにマーケティングまで取り組み、物流や販売までを受託者が担うのです。
ODMによって委託者は、マーケットを海外に広げることになっても、生産能力を高める必要なく、急速に世界中へ自社ブランドを広めることができるのです。
2. OEMのメリットとデメリット
OEMには、委託者と受託者にそれぞれメリットとデメリットがあります。
まず委託者は製品を生産するための設備投資をしなくていい、というのが最大のメリットです。委託者とっては資金負担が大きく減り、余力を新商品の開発に充てることもできるようになりました。
受託者にも多くのメリットがあります。生産することで利益が生まれ、さらに委託者から技術提供を受けることによって、自社の技術力を向上させることができます。
しかし委託者と受託者は完全にWIN-WIの関係であるとはいえません。OEMによってデメリットも生まれてくる可能性があるからです。
委託者のデメリットとして考えられるのは、製造技術やノウハウ、さらには品質管理などを受託者に提供することによって競合企業を生み出すリスクです。たとえば、ノウハウを習得したら受託者にそのまま独立されてしまうというケースもあります。
もちろん受託者にもデメリットがあります。製品を製造してもそれは委託者のブランドですので、受託者のブランドがなかなか市場に浸透しません。
さらに委託者が上位になることから価格などの設定を決められてしまうこともあります。
他にも問題が浮上する可能性があるので、契約の際にはメリットは最大限に、デメリットは最小限に抑えるような注意が必要です。
3. OEM契約とライセンス契約の違い
海外の企業と共同で製造や販売を行う場合にOEM契約とライセンス契約を混同してしまうことがありますが、この2つは異なる契約です。
ライセンス契約は知的財産の実施や使用、利用を許諾する契約で、ライセンス料と売り上げに応じた一定のライセンス使用料を受け取ることができます。
衣料品や雑貨品などの分野において、有名ブランドの商品や人気キャラクター商品などの製品製造・販売などがライセンス契約にあたります。
「ライセンサー」と呼ばれる商標権許諾者は、「ライセンシー」と呼ばれる商標権受託者との間に契約を結びます。
この契約を結ぶことでライセンシーは商標の付いた製品の製造や、一定の許可された販売領域で販売できるようになります。これがライセンス契約です。
4. OEM契約書を翻訳するためのポイント
OEMの契約書には、製品名、数量、納入価格、納期、納入場所、引き渡し条件、支払い条件などを取り決めて記載します。
委託者と受託者によってひとつの製品の開発、設計、製造を分業していくことになりますので、細かい役割分担も契約書に規定しておく必要があります。
また、受託者にとっては設備や原材料などの調達をしなければならないので、具体的な将来の展望が必要です。
年間にどのくらいの製品の委託が見込めるのか、具体的な取り決めをしておくべきです。これを「フォーキャスト」と呼びます。
フォーキャストは条件によって年々変化していきますし、それがコストに見合ったものになるのか、契約前に工場の担当者との確認は不可欠です。
さらに、どんな製品を製造することになるのか、品名や型番、モデル番号や性能・機能まで規定しておきます。こちらの詳細は別紙を作成し、契約書に添付しておくと後々に便利です。
その他にも商標等の表示の仕方や、商標の付いた製品を第三者に販売したり、譲渡しないような規定、類似商標の無断使用などの取り決めも必要です。瑕疵担保期間や保証期間の設定も一定期間は重要になるでしょう。
OEMの契約署は、このような多くの規定を相手側と決め、作成していきます。担当者が英語に堪能であることはもちろんのこと、法律にも精通していなければ対応は厳しいでしょう。
翻訳会社はOEM契約の経験が豊富なスタッフがそろっており、OEM契約署の作成についてアドバイスを受けることも可能です。
市場拡大の大切なチャンスをモノにするためには、正確な英語翻訳が不可欠です。後悔することのないよう、細心の注意を払いながら準備してください。
お見積もりは無料です。お気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。
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