医療分野の翻訳校正
医療翻訳の校正者・・・MD・PhDって何?
翻訳会社に翻訳を依頼した時は、翻訳者以外にその翻訳に間違いがないかなどをチェックする数名の校正者が、最終チェックまでを行っています。
翻訳者自身でもミスがないようにしていますが、やはり別の人の目でも確認をしないと穴が生じてしまうこともあります。
特に正確性が求められる分野である医療の翻訳。その校正をするにはどんな人が向いていて、どんな人が担当しているのでしょうか。
今回は、医療翻訳の校正を行う人に焦点をあてて考察していきます。
1. 医療に関わるMDとPhD
翻訳会社では、依頼を受けた文書の正確性を高め、品質をより良くするために校正者にも高いスキルを求めています。
翻訳者が医療分野に精通しているのはもちろんですが、その校正を行う校正者にも、高い医療の知識が求められます。そうでないと、どの箇所が合っていてどこが間違っているのかも分かりません。
では、高い医療の知識とは何でしょうか。
ただ医療の本を通読したくらいでは、専門的な知識が身につくとは言えないでしょう。医療の分野は昔から難関な分野であると知られています。
大学受験でも、医学部・薬学部に入る時にも大変な努力が必要であり、さらにその努力を続けなければ卒業も難しいと言われています。
医師として患者さんを診るためには、医師国家試験を合格して医師免許を取得しなければいけませんが、医師国家試験を受験するには医学部を卒業してMD=医学士の資格を取る必要があります。
一方、大学院の博士課程をこなすと卒業と同時にPhD=医学博士の学位を得ることができます。
2. 専門分野に相応しい校正者
医療分野の文書は専門用語や専門的な言い回しが多く、しっかりとした背景知識を持っていないと翻訳は難しいでしょう。
校正の場合も同様で、ちょっとしたミスなどであっても見逃さずに直していく仕事であるため、高い医療知識を持っていないと、なかなか校正はできません。
翻訳会社は専門的な分野の翻訳依頼を受けた際に、実績があって医療の知識を持つ翻訳者にお願いをします。
翻訳者の方でも、参考資料なども含めて間違いがないよう丁寧に翻訳作業を行いますが、情報の鮮度や依頼内容に沿わない表現方法になっているところを洗い出し、翻訳物を仕上げていきます。
校正者は1人だけではなく、複数人で行うことも多く、たくさんの人の目を介して、誰が読んでもわかりやすくて読みやすい文書に仕上げます。どの程度まで校正者によるチェック行うか、最初の契約段階で決めている会社もあります。
依頼者側としては、どういった文書に仕上げてもらいたいのか、その文書の重要性の高さなど考慮して、チェック機能について決めるとよいでしょう。
そして、その翻訳会社がどういった資格を有した人材を翻訳者や校正者に採用しているのかなども事前に確認しておいたほうが、安心して翻訳を任せることができるはずです。
3. 医療翻訳で大切なのは正確性
医療の世界は、人の命を預かる世界です。少しのミスも許されない厳しい世界で、医師ともなると心身の負担が高くなるのは有名な話です。
その医師たちが最新の医療について、日々勉強するためにて読むのが医療系の論文。
また、新しい薬の開発に成功して、販売資格などを得るために行政に提出する資料として、英文・邦文の医療系資料を作成することもあります。
医療論文であっても医療系資料であっても、内容の正確性はとても重要なポイントです。
医師は患者さんに、医療論文から得た最新医療を提案します。その際に意味の取り違えや、間違った内容がもしあった場合、その最新医療を受けようとしている患者さんに「万が一のこと」が起こることも否定できません。
新薬の販売であっても、資料に間違いがあれば審査も通らない可能性があります。
その新薬を必要とする患者さんにとったら、1分1秒でも早く欲しいのに、時間がかかっていてはしょうがありません。
翻訳者や校正者であっても、医師と同じように、人の命を預かっているという意識を持つことが重要です。
翻訳会社にとっては、多くの人の役に立つために、できるだけ早く、そして確実な文書を仕上げることがとても重要な任務であると言えます。
4. MD・PhDを採用している翻訳会社は・・・
翻訳者や校正者には高い医療知識が求められます。
そこで「高い医療知識」とは何か、何をもってその証明とするのかという場合、誰もが納得できる資格が、MD(医学士)やPhD(医学博士)なのです。
6年間しっかりと大学の医学部で勉強をしっかり重ねた人だけが得られる資格です。こういった資格・知識を持っている人であるならば、納得できる翻訳・校正を行ってくれる可能性は高いでしょう。
もちろん、医療の知識以外にも英語力の高さ、日本語の巧みさや表現方法の豊かさなどの日本語力の高さ、クライアントの要望に沿うような書き方ができるかどうかなど、別の要素も翻訳者や校正者にとって必要なことです。
多くの案件をクリアした実績のある翻訳者や、分かりやすくて読みやすい文書を書けると評判の高い翻訳者がいる場合は、翻訳者を指定して仕事を依頼することが可能な会社も存在します。
また、ネイティブチェックを行うことこそ、翻訳物の品質を上げるための策であると考えている翻訳会社もあります。そこで日本だけでなく海外の医療にも精通している、ネイティブのMDやPhDを採用している翻訳会社もあるほどです。
依頼主としては契約をする際、どんな人が翻訳をしてくれるのか、どんな人が校正を担当してくれるのか、その人数は何人なのか、納品後であってもアフターフォローがあるのか、など事前に確認をしておいたほうがよいでしょう。
後々のトラブルを防ぐためにも、そしてより良い文書に仕上げてもらうためにも、クライアント側としても、そういった点に注意しておきたいところです。
お見積もりは無料です。お気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。