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翻訳マネージャーコラム

治験データの英語翻訳なら専門家へ

2017年06月14日

日本では馴染みがない? 治験データの英語翻訳

ひとくちに翻訳といっても、その作業には様々な分野が存在します。
たとえば洋画の吹き替えは「字幕翻訳」「映像翻訳」と呼ばれ私たちの生活に広く浸透していますし、また小説や実用書などの洋書の翻訳も広く知られています。
どの分野の翻訳も専門的な知識や、一定以上の語彙力・文章力がない限り、正確な翻訳をすることは難しいでしょう。
今回は、そんな翻訳業界の中でも特に専門的な知識が必要となる分野、「治験翻訳」についてご紹介します。

1. 治験とは?~新薬開発の臨床試験

「治験」とは、新しい薬を開発する際の臨床試験です。
まず「薬の候補物質」について、効果や副作用、毒性などを動物での投薬実験で調べ、さらにその実験を経た薬が人体に対してどれだけの有効性があるかを確かめる際に行われる臨床試験のことを「治験」といいます。
これは厚生労働省から正式な「薬」としての承認を受けるために行う最終段階の臨床試験ですが、人体に対して行われる投薬試験になるため、多かれ少なかれリスクを伴う試験であるといえるでしょう。
「治験」には様々な種類の方法があり、被験者にとっては1日で終わる簡単なものから数カ月の入院が必要になるようなものもあります。
どのような試験内容になるにせよ、治験後の副作用といったリスクに関しては事前に説明を受けますが、治験前には誓約書を作成し、リスクに関する責は被験者自身が受けることとなります。

これら治験のデータは、日本で行われた臨床試験のものであれば、日本語で書かれているでしょう。しかし当然、海外で行われたものであれば、その国の母国語で表記がされています。
ただ、日本は欧米と比べると、治験に対する認識が少なからず低いようです。
これは一部のメディアにより、「治験=人体実験」というイメージが一般的に広まっていることも影響しているでしょう。
というのも日本国内では、ほとんどの方が何らかの健康保険に加入していますが、欧米では健康保険に加入していない人が多数おり、その場合は医療機関に通うたびに多額の医療費を払っています。
日本では「治験」という行為の危険性ばかりに注目が集まりがちですが、欧米で健康保険に加入していない人にとっては、治験に参加することにいくつものメリットがあるのです。

2. 治験のメリットと「治験翻訳」

欧米において治験の被験者となるメリットとは、きちんとした治療、または最先端の高度医療を無料で受けることができ、なおかつ治験に協力することで報酬まで貰えることでしょう。
通常はどんな内容の治療であっても、高額な医療費を支払わなければならない立場の人々にとって、治験というのは願ってもない機会なのです。
また、自分の臨床結果が今後の医療に生かされていくことに、ある種の達成感も感じられることでしょう。

保険制度が整備された日本では、医療は保険によって賄われるという認識が定着しているためか、新規医療、高度医療が受けられるということに“ありがたみ”を感じることは少ないかもしれません。
さらに日本国内においては、治験参加の募集にも大々的には行われていないため、諸外国と比較した場合、臨床例が非常に少なくなっているというのが実情なのです。
このような背景から、日本より欧米などの諸外国のほうが、治験のデータは多いでしょう。結果、最新医療や高度医療の治験結果のレポートなどは、日本語より外国語のものを取り寄せるほうが多くなります。特に現在、医療関係資料の多くは英語で書かれています。
もちろん、そのレポートにどれだけ重要な情報が記されていたとしても、内容を正確に理解しなければ意味はありません。
そのために、「治験翻訳」という作業が必要になるのです。

3. 治験の専門用語は「直訳」で通じない?

医療分野の翻訳は、英語で書かれた文章の意味が分かるだけではなく、その分野に精通をしていなければ、正確な翻訳にはたどり着けません。
これは翻訳全般に関して言えることでもありますが、そもそも翻訳という作業には、決められた「正解」の形というのはないのです。
ある文章を訳すため、単語一つひとつの意味を丁寧に読み解きながら翻訳したとしても、専門的な人が読んだら全く違った意味になってしまうということは、それほど珍しいことではありません。
たとえば「investigational drug」という英語は、直訳すると「調査の薬」です。これが治験のレポートなどでは、「臨床試験用医薬品」、つまり「治験薬」「被験薬」という意味合いになります。
前者でもある程度、意味は通じるかと思いますが、読み手にとっては“回りくどい”言い方になってしまうこともあるでしょう。治験レポートでは、「治験薬」「被験薬」と訳したほうが的確です。
このようにその分野に精通をしていて、専門文書で標準的に使われている用語についての知識を持っていない限り、正しい翻訳が難しくなってしまうのが翻訳という作業なのです。

4. 治験翻訳こそ専門家の力を!

もし自分自身が治験書類にまつわる翻訳作業の必要性に迫られた場合、どうしますか?
自分で辞書を引きながら、何とか翻訳をしようと尽力をするでしょうか。
確かにそれは、自分自身の力になるかもしれません。とはいえ、業務上必要な作業であったら、際限なく時間をかけることはできないでしょう。
辞書によっては意味合いが違うものもありますし、自身が翻訳している内容が正しいものなのかどうかのチェックも必要になるはずです。
それだけ翻訳作業にかける時間があるのなら、その時間を他の業務に回したほうが有益かもしれません。

そこで、専門的な書類に関する翻訳作業は、プロの翻訳会社にお任せください。
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