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翻訳マネージャーコラム

秘密保持契約の英語翻訳の重要性

2017年04月27日

秘密保持契約と英語翻訳

秘密保持契約と英語翻訳

金融分野の翻訳作業について考えたとき、どんなことが不安になるでしょうか?
たとえば、国際的な企業間の業務提携や取引を検討する際には、当然のことながらそれぞれの事業内容や財務状況などの現状についての確認が必要です。
ですが、もしもその資料の内容が第三者にリークされてしまったとしたら、企業にとって大きな痛手になることは想像に難くありません。
そのため国際的な取引においては、ほとんどの場合、取引以前の段階から「秘密保持契約」(NDA)を締結します。
今回は国際的な企業間取引における準備段階からの段取りについて、順を追って見ていきましょう。

1. 秘密保持契約の役割とは?

海外の企業やクライアントとの取引において、英文書の作成は必ず必要になるタイミングが訪れます。
「秘密保持契約」もそのひとつで、もしも締結しないまま自社の情報がリークされてしまった場合には、国内でのトラブルよりも、さらに解決が困難になるでしょう。
なぜなら、国際的な企業間の取引においては各国の文化が異なるために、各業界に当然のように存在している「暗黙のルール」が共通認識として備わっているとは限らないためです。
しっかりとこの認識のすり合わせしておかない限り、トラブルの責任を追及することは極めて難しくなります。

「秘密保持契約」の最大の役割は、その共通認識を明確に持つために、お互いが第三者に対して開示してほしくない「秘密情報」の秘密性を、しっかりと確保することです。
相手に開示した情報のうち、どの部分が秘密情報に当たるのか、その定義を明確にした上で、情報の「取扱い」についても言及していきます。
ここでいう「取扱い」とは、第三者に対して無許可で漏洩されることを防止するのはもちろん、情報の保管方法や資料の複製可否など、細部までを定めていくことを差す場合がほとんどです。
そして万が一、この秘密保持義務が守られなかった場合についても、明確に定めておく必要があります。

2. 秘密保持契約書のリスク

秘密保持契約書を英文書として作成し、先方に提出するためには、まずはこれらの情報を整理しながら「日本語版」を作成していくことになるでしょう。
そのうえで一つひとつを辞書や翻訳サイトなどで調べながら訳していけば、おのずと英訳版は完成するだろう……。そう考えている取引担当者の方も、少なくはありません。
ですが、自力での契約書の翻訳には、多大なリスクが伴います。
契約書というのは企業間における互いの権利の範囲を明文化し、その取扱いについて定めていくものです。
契約書には各企業が担当する業務の内容についての記述が必要になるため、当然のように各分野の専門用語が出てくることでしょう。
ではその専門用語について、翻訳サイトは正しい英訳を行ってくれるでしょうか?

ビジネスにおける正式な文書の翻訳に対して、翻訳サイトを利用するというのは、あまり推奨できません。
なぜなら、翻訳サイトで実行されている和訳・英訳というのは、専門用語や前後の文脈などを考慮せず、単語と単語を置き換えていくだけの「機械的な翻訳」であるケースが多いからです。
そのため、専門的な知識を有する書類の翻訳を行った場合には、原文での意図する内容とは違う文章になってしまったり、そもそも意味の分からない単語や表現だらけになってしまうでしょう。
また、契約書は法律関連の書類でもあります。
法律というのは、世界各国でその国の司法機関が定めているものですから、一方の国で禁止されている内容が、もう一方の国でも同様に処罰されるとは限りません。
そのため、実際に他国の言語への翻訳を行う際には、その国の法律的な専門知識も必要とされるのです。

3. 英訳だけでなく和訳も求められる?

契約の前段階で取り交わされる「秘密保持契約書」ひとつを取ってみても、その翻訳には様々な困難が待ち受けていています。
ですが、この書類を無事に翻訳し、相手方への提出が完了したとしたら、もう英文書の作成は行う必要はないのでしょうか?
答えは「No」です。
国際的なビジネスの取引において最も重要視されるのは、その企業がどれほどの実力を持っているのかということ。
つまり収益の状態と、現在の財務状況です。
財務諸表をはじめとする、これらの金融分野の資料に関しても当然、先方に提出する必要があるでしょう。
同時に、相手方の情報もしっかり把握しておく必要がありますから、「英訳」だけでなく「和訳」も求められます。
金融分野における資料には様々なものがありますから、その数は膨大なものになるでしょう。
その英訳・和訳のすべてを自社で行うというのは、不可能ではないかもしれませんが、現実的ではありません。
そのため、こういったビジネスにおける文書の翻訳は、外部の翻訳会社に一任する企業・団体も増えています。

4. 秘密保持契約書の翻訳を依頼するメリット

翻訳会社を活用することには、いくつかのメリットが挙げられます。
最も大きなメリットは、やはりその翻訳自体の正確性でしょう。
特に金融分野の資料については、些細な翻訳ミスも許されません。
ひとつでも誤った内容が記載された資料を提出すれば、大きなトラブルに見舞われてしまいますから、実際に依頼する場合には翻訳会社のなかでも金融分野に特化した企業の選定したほうがよいでしょう。
各企業のホームページなどを参考にし、適切な翻訳会社に見積もりを依頼してみてください。
見積もりを比較する段階で、翻訳にかかる費用と期間もわかります。
自力での翻訳とは違い、プロに依頼するわけですから、翻訳にかかる工数も短くなるはずです。
その一方で、納期が短くなればなるほどコストは高くなる傾向にありますから、十分に比較検討した上での選定が重要です。
また、翻訳会社では各社が独自のサービスを展開しています。
業界の専門知識を有するスタッフを配備していたり、諸外国の法律の専門家からのバックアップを受けられたりと多種多様な内容が取り揃えられています。
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