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翻訳マネージャーコラム

LINE翻訳の実力とその活用方法

2017年03月31日

LINE翻訳アカウントの活用法と実態

LINEは今や誰しもが、自分のスマートフォンにインストールして使っているコミュニケーションツールアプリです。
その特徴は、チャット形式ですぐに会話の既読・未読が判別でき、リアルタイムでどんどんコミュニケーションをしたいときに活躍するところです。
そのLINEに公式の翻訳アカウントがあるのをご存じでしょうか。これによって、外国人とのチャットのときに大活躍、と思っていると……その機械翻訳はとんでもない答えを返してきてしまうとの声も出ています。
今回はLINE翻訳アカウントの活用法と実態をお伝えします。

1. LINEの翻訳サービスはどうやって使うの?

LINEは2011年6月のサービスを開始しました。無料でチャットや通話を利用でき、ゲームや音楽なども楽しめるコミュニケーションツールです。特徴的なのは、スタンプで無機質になりがちな、チャットの感情表現をより豊かにしたところです。
ユーザーはどんどん増えており、日本人の2人に1人が利用していると言われるほど、親しみのあるツールになりました。
LINEの翻訳サービスは「LINE英語通訳」、「LINE韓国語通訳」、「LINE中国語通訳」、「LINE中国語(繁)通訳」という公式アカウントを、それぞれ友達に追加することによって、この3カ国語と2種類の中国語を翻訳してくれるようになります。
LINEのサービスだけあって、最大の魅力は入力した文章を瞬時に翻訳してくれることにあります。すぐにコミュニケーションがとれるところは素晴らしい点です。

2. 外国人の友達を交えて使うと便利

LINEの翻訳サービスがその真価を発揮するのは、外国人の友達とチャットをするときです。
チャットをするときに、友達に追加した、いずれかの通訳アカウントをグループに交えてみましょう。そうすると瞬時に翻訳をしてくれるので、コミュニケーションを助けてくれます。
ですから、たとえば日本人とアメリカ人の2人でチャットをしていて、どちらかの言語がわからない場合には、そのスピード性で、非常に便利な翻訳サービスを提供してくれます。
またLINEなどのコミュニケーションツールの場合、文章自体も長文になることが少ないため、正確でない翻訳文が出てくる可能性も少ないかもしれません。

3. 実際に翻訳してみると……

しかし、なんといっても翻訳サービスの肝は「正確」なこと。実際に翻訳機能を使うと、どのレベルまでの翻訳をしてくれるのでしょうか。実際に試してみました。

「James Bond’s first suit in From Russia With Love is the standard conservative navy suit: a sharp English cut by Anthony Sinclair paired with conservative details. The suit is made from a navy cloth in what’s probably a medium-weight worsted flannel. Worsted flannel has the nap of the more traditional woolen flannel but is made from worsted yarns. It’s harder-wearing than woolen flannel, and the weave can be seen under the nap. It’s not a particularly fun suit, but it’s the perfect suit to wear to the office when the weather is cool.」

007の服装についてまとめたサイト『The suit of James Bond』より

この英文をLINE翻訳アカウントで翻訳した結果は、以下のとおりです。

「中のジェームズ・ボンドの最初のスーツは、愛情を持つロシアから標準の保守的な海軍スーツです:アンソニーシンクレアにより減らされた鋭い英語は、保守的な詳細とペアになりました。スーツは、たぶん中間重量梳毛糸小型浴用タオルであるものの海軍布切れから作られます。梳毛糸フランネルはより伝統的な羊毛フランネルの昼寝を持っているけれども、梳毛糸毛糸から作られます。それは羊毛のフランネルよりより激しく長持ちし、織りは昼寝のもとで見られえます。それは特別楽しみスーツではないけれども、天候が冷たい時には、オフィスに擦り減ることが完全なスーツです。」

極めて粗い翻訳文となっています。
第一に「ロシアより愛をこめて」という邦訳ができていません。
「James Bond’s first suit in From Russia With Love」という一節を「中のジェームズ・ボンド…(以下略)」と訳しているところにも問題があります。一般的には「ロシアより愛をこめての最初のジェームズ・ボンドのスーツ」と訳すはずです。
また「navy suit」と「navy cloth」を、なぜか「海軍」と訳しています。
普通は「ネイビーのスーツ」という意味で落ち着きますが、「海軍布切れ」とはいったい何のことなのでしょうか。
「harder –wearing」というのは、2つの単語を組み合わせてできた慣用句で、「長持ちする」という意味です。そこを「harder」の部分を抜き出したのか「激しく長持ち」としてしまっています。
「wear to the office」というのも、「オフィスに着ていくのに」という意味にすればいいものを、「to wear」の2語を組み合わせた「すり減る」という意味にしてしまっています。「オフィスに擦り減ることが完全なスーツです」とは……。
「nap」には昼寝という意味がありますが、この場合はフランネルの毛羽立ちのことを指します。専門用語の翻訳は厳しいようです。
仮にこの文をチャットで交わしたとすると、全く意味が通じない文章になってしまいます。

4. 過信は厳禁・プロの翻訳者に依頼しよう

LINE翻訳アカウントは外国人の友人たちと気軽にチャットを交わすときには、非常に便利なコミュニケーションツールです。
通常、翻訳まで多少のタイムラグがある他の翻訳サイトと比べても、そのスピードの速さは他にはない特徴です。しかし、実際に翻訳をしてみると、上記のような課題もある翻訳文がでてきました。
以上のことからわかるように、やはり機械翻訳の答えを頼りにして、人とコミュニケーションを完全にとろうとすることには、問題があるかもしれません。
これだけ普及しているLINEアプリですから、仕事などのオフィシャルな場面でも活用される機会が増えました。気軽にコミュニケーションをとり、翻訳するのはいいかもしれませんが、重要な場面では過信は厳禁です。
仕事などで大事な文章を翻訳したいときは、無料翻訳サービスに頼らないほうが、無用なリスクを回避できるでしょう。ぜひ翻訳会社に相談し、プロの翻訳者に依頼してください。

お見積もりは無料です。お気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。

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