医療翻訳者への道
医療翻訳者になるための手順と心構え
医療という分野は日々進歩しており、そのおかげで、私たちは健康な生活を送れたり、病気になっても適切な治療を受けることができます。
そんな医療分野において、翻訳という仕事は非常に重要な役割を担っています。医療は国際的な分野であるため、海外の医療技術を日本に取り入れることも大切なのです。
海外の医療技術を導入するためには、翻訳の力も重要でしたし、今後も医療翻訳の需要は高まっていくことでしょう。
一方、医療翻訳を担当する医療翻訳者になるには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。
1. 医療翻訳に必要な専門知識とは
医療の発達とともに重要となる医療分野の翻訳。そんな医療翻訳者を目指そうと考えている人も多いのではないでしょうか。
そもそも医療翻訳とは、その名のとおり医療分野を対象とした翻訳ですので、医療に関する専門知識が要求されます。
翻訳にはもちろん語学力が必要です。そしてそれ以外にも各分野の専門知識を持っておかなくてはなりません。
また、ひとくちに医療翻訳といっても、その内容は細分化されており、医療機器に関する翻訳や医薬品に関する翻訳などに分類されます。医療機器に関する翻訳であれば、工学やITといった知識、医薬品に関する翻訳であれば薬事法などの法律の知識も必要です。
翻訳者という仕事は、語学力だけあればできる、とは限りません。逆に、各分野の専門知識を持っていると、必ず翻訳の仕事に活きるはずです。
そこで医療翻訳者となるためには、まず医療に関する専門知識を身につけるための勉強を始めてみましょう。
2. 医療翻訳の勉強を始めるには?
医療翻訳者への第一歩として、医療に関する専門知識を身につけるための勉強を始めましょう。
医療に関する書籍はもちろん、インターネットネットが普及している現代では、ネット上にも医療翻訳の学習に必要な教材が公開されている場合がありますが、どのような翻訳分野であっても翻訳学校に通い、翻訳者となった人も多いでしょう。
翻訳学校では、実際に演習として翻訳作業を行い、それを講師に添削してもらうことがあります。講師の添削によって、自分は何を得意としていて、何が不得意なのか、細かい部分まで洗い出され、次につながっていきます。その勉強法が、モチベーションが上がるきっかけになることも多いようです。
さらに、先ほども書いたとおり医療翻訳には様々な専門知識が求められるので、翻訳学校では翻訳に必要な学校では知識も学べるシステムを整えているところもあります。
医療翻訳者になりたいからといって、大学の医学部・薬学部に通う必要はないかもしれませんが、かといって独学では、なかなか自身の現在のレベルは確認できません。ともすれば、自分の翻訳の何が正しく、何が間違っているかもわからないまま、勉強し続けているという状態に陥ることもあるでしょう。
また、医療分野で学んでおくべきことは多岐にわたるため、どこから手を付けてよいのかもわからなくなることもあるでしょう。
あるいは、それまで医療分野に縁のなかった人、文系の勉強をしてきた人も、医療・理系だからといって尻込みする必要はありません。
まずは語学力……特に医療分野で最も使われている言語、英語のスキルと、医療に関する専門知識を学ぼうという意識が大切なのです。
3. 翻訳会社に登録して技術を磨く
医療翻訳に必要な知識を身につけ、翻訳スキルも向上したら、いよいよ医療翻訳者として活動をスタートさせたいところ。
そこで翻訳者として活動していくためには、個人で仕事を請け負う翻訳者もいますが、多くは翻訳会社に登録し、その翻訳会社を通じて仕事を請け負うパターンが多いようです。その場合は、社員ではなくフリーランス、個人事業主という立場になります。
もちろん正社員あるいは契約社員といった雇用形態で翻訳者を採用している会社もありますし、翻訳者としての就職先は、翻訳会社だけとは限りません。
医療翻訳であれば、医療関連企業……医療機器メーカーや製薬会社などでも、翻訳者の雇用を行っている場合もあります。医療分野では常に新しい治療法、新しい機器、新薬などの研究が行われているので、英語で書かれた資料を翻訳したり、あるいは海外に向けて研究内容を発表するために英語への翻訳も必要になるからです。
翻訳者としての活動を始めたばかりのころは、きっと様々な困難に見舞われるかもしれません。最初からフリーランスという立場を選んだ場合は、思うように仕事を得られるかどうか、保証はありません。
また、医療は常に研究が行われ、発展している分野なので、翻訳者もまた新しい情報・新しい知識を勉強し続けることが求められます。もちろん、語学スキルも同様です。
4. 医療翻訳者にとって大切なこととは?
最後に、医療翻訳者を目指すうえで、最も大切なこととは何でしょうか?
まず、医療分野に限らず、翻訳において誤訳という事態は絶対に避けなければいけません。なかでも、医療翻訳では誤訳や些細なミスが、人の命にかかわります。
たとえば、医療分野は一般的に知られていない専門用語の翻訳が難しいだけでなく、論文でもひとつ数値を間違うと、まったく異なる内容になってしまいます。数値の表記方法にもルールがあったりと、何かと難しい医療分野の翻訳ではありますが、それだけやりがいを持てる分野だといえるでしょう。
そしてもうひとつ、医療翻訳では翻訳作業スピードも重要です。医療という世界は、常に移り変わるものです。新たな病気が発見されると、その治療法が生み出されます。それに伴って、新たな医療機器や医薬品も開発されていくでしょう。
結果、医療翻訳も常に質とともに量も要求されるはずです。その期待に応えるためには、スピードというスキルも要求されます。
医療の発展のためには、医療翻訳というジャンル、そして医療翻訳者の存在は欠かせません。翻訳会社も、そんな医療翻訳者を待っています。
お見積もりは無料です。お気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。