賃貸契約書の翻訳は難しい
今後は賃貸契約書の翻訳が増える?
日本語で読んでも難しい書類といえば、法律が絡む契約書などが挙げられます。
英語が得意で、会話は問題なくできるという人であっても、日本語で書かれていても理解しにくい契約書を、英語に翻訳することは難しいでしょう。
法律関連の翻訳は、ただ「英語ができる」というだけではダメな分野なのです。独特の言い回しや表現は専門的な場数を踏んでいないと、法律翻訳はできません。
今回は法律が関係した契約書の翻訳について考えていきます。
1. 法律翻訳には「アンテナ」が必要
翻訳とはただ言葉を変換するのではなく、原文に何が書かれているのか、書かれている言葉が何を意味しているのか、その本質を正確に表現していくことが重要になります。
些細な一言であっても、それが法律に抵触するかどうかの境目となることもあるのです。文章全体の雰囲気や細かいニュアンスまで理解できていないと、その翻訳物を読む人によっては違う意味に捉えてしまい、コミュニケーションが取れない可能性もあります。
特に法律分野の文書には、特有の表現や言葉づかいがあります。正確に翻訳するためには、英語のスキルはもちろん、アメリカ・イギリスといった英語圏の法律を知っていることや、法律英語特有の表現を理解していることも重要です。
こうした翻訳は、多くの人が学生時代に勉強していた「英文和訳」もしくは「和文英訳」とは異なります。翻訳は、非常に専門的で、正確さを求められる大変な仕事といえます
英語圏で用いられる契約書類は、主に英米法(common law)に基づいて作成されています。そのため、翻訳するうえでも英米法について把握しておくことも大切です。
また、法律は時代によって変化するものなので、世界中の法律について最新の情報や今後の動向まで常に意識しておかなければいけません。
たとえばアメリカでいうと、2016年まで大統領を務めたオバマ氏、2017年に大統領に就任したトランプ氏の施策は異なります。そんなアメリカ大統領クラスの施策によって、今後の法律も大きく変化していくでしょうし、その影響は世界中に波及するはずです。
法律翻訳に関わる人も、それだけ様々な部分にアンテナを張っておくことが求められます。
2. 賃貸契約書の翻訳の難しさ
契約書類は難しい表現が使われていることが多く、日本語で書かれていても内容がよくわからない、というケースがあります。
たとえば初めてマンションなど賃貸物件を借りるとき、たくさんの契約書類を目の前にして、「どうしたらよいのだろう……」と考え込んでしまうという経験をした人も多いかもしれません。
賃貸契約はたいていの場合、専門家(宅地建物取引士など)から契約書の内容について説明を受け、借主が印鑑を押していくという流れが一般的でしょう。そこで賃貸契約や不動産に関しては素人の自分自身が、「読んでください」とただ契約書類を渡されただけでは、どこが大事な箇所なのかもわからないままです。
それは日本人だけでなく、海外から来た方が日本で賃貸物件を借りるとなれば、なおさらのことでしょう。
外資系企業が日本にオフィスを構える場合や、反対に日本企業が海外に支店を作った場合などでは、賃貸契約書の翻訳が必要となります。
賃貸契約には法律・費用が関わってきますので、契約書には正確さが不可欠。ひとつでも間違いがあると、海外でビジネスを展開できなくなることもあります。特に、こうしたケースは日本と海外、双方の法律を知っておくことが大切です。
3. 東京五輪を見据えて賃貸契約が増える?
2020年には東京オリンピックが開催されます。
この2020年までに、東京都はソフト面もハード面も整備させようと、様々な政策を行っています。インフラ事業の整備や、日本に訪れる外国人観光客の増加を見越した、各産業の設備投資なども考えられます。
また、現在はオリンピックを見越した、外国人投資家による不動産売買も増えているようです。反対に、オリンピック後はどの国でも地価や不動産関連の価格が下落するといわれていますので、2020年以降も不動産ならびに関連分野は大きく動くかもしれません。イコール、不動産売買の契約書の翻訳も需要が高まりそうです。
一方で、日本で働く外国人労働者も増加傾向にあります。厚生労働省が2017年に入り発表した外国人雇用の届出状況によると、2016年10末の時点で、日本で働く外国人は約108万人。前年同期比べで19.4パーセント増、しかも100万人超えは初めてのことのようです。
ここで必要となるのは雇用契約書であり、外国人労働者に向けた英語の雇用契約書を作成している企業も存在しています。同時に、
雇用契約書にも翻訳が必要ということになります。そして、一般的に雇用の際には住居も必要となるので、雇用契約書と合わせて賃貸契約書の翻訳も需要が高まるでしょう。
2020年の東京オリンピック開催が決定したことで、各分野のグローバル化は、そのスピードを増しています。そのため、こうした契約書の作成は量だけでなく、スピードも求められることになります。
しかし、いまだ英語に不慣れな日本社会。法律関連の契約書翻訳を素早く、大量に行うとなれば、なおさら難しいことでしょう。いち企業には、人員的にも労働時間的にも限界はあります。
そこで、翻訳のプロがそろっている翻訳会社の出番となります。
4. 賃貸契約のトラブルを防ぐために
冒頭にも書いたとおり、契約書の翻訳は、単に「英語ができる」といった語学力だけでは通用しません。法律が大きく関わるために、些細な解釈ミスも許されません。
賃貸契約書でいえば、ひとつの項目について貸主はNGとしていたものが、借主はOKと考えていたなんて齟齬が生まれてしまっては、大きなトラブルの素となってしまいます。
そんなトラブルが起きるリスクを少しでも下げるために、法律翻訳には、法律に関する正しい解釈を知っており、かつそれを正確に相手に伝えることができるスキルが必要です。そこで、法律分野の翻訳は経験豊富かつスキルを備えたプロがそろっている、翻訳会社に依頼したほうがよいでしょう。
日本を訪れ、住み、働く海外の人たちが笑顔になれるような契約書を作るためにも。
お見積もりは無料です。お気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。