医療分野の翻訳が難しい
1. 医療分野の論文は英語で書かれている
まずは次の英単語を見てください。
1.pharmacy
2.surgery
3.prescription
4.treatment
5.artery
おそらく英語、あるいは医療に携わっている方ならすぐにおわかりかと思いますが、これらは全て医学・薬学に関する英単語です。それぞれ意味は
1.薬局、薬学
2.外科
3.処方箋
4.治療
5.動脈
です。
専門的な用語ですので、日常で使う機会はなかなかありません。しかし、これらの英単語にはもうひとつ共通点があります。
それは、上記が医学・薬学系の大学・学部の入試問題で頻出の単語である、ということ。医療を学びたい人は、大学に入る前にこれらの専門用語は、すでに知っておかなくてはいけないのです。
さらに大学受験業界では、「医学部は英語ができないと合格できない」と言われています。なぜでしょうか?
理由は簡単です。大学に入り、学ぶべき医学系論文の多くは英語で書かれており、英語が理解できないと医学部に入っても学ぶことすらできないからです。
日本では昔々、医学用語といえばドイツ語というイメージが強かったのですが、これは日本で西洋医学が学ばれ始めた時、ドイツ語圏の文献を利用していたためとも言われています。
ところが世界的に見ると、医療業界では主に英語が使われており、日本でも今は英語がメインとなっています。
たとえば医療用語で最も知られている単語のひとつ「カルテ」(Karte)はドイツ語ですが、英語では「Medical Record」(医療記録)といい、当然ですが英語で書かれた論文にはこの言葉が用いられています。
それだけ英語力が必要になる医療業界だからこそ、正確な英語翻訳が重要になるという面があります。
2. 医学・薬学はジャンルが幅広い
医学・薬学の分野で正確な英語翻訳が求められる理由は、大きく分けて2つあります。
まずひとつは、医学・薬学の論文や資料には専門用語が多く、また用語のジャンルも医学・薬学だけでなく関連する食品やバイオテクノロジーなど、多岐にわたります。その多くは、一般的な日常生活を送っていると、ほとんどお目にかからないものばかりです。
さらに、ひとくちに医学・薬学といっても、その内容は細かく、広く分類されています。
病院の外来を見ても内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻科、皮膚科、整形外科……といった具合に幅が広く、それぞれ使われる専門用語も違います。ひとつの科だけでも英語の難易度が高いのに、それが無数にあると一般的な翻訳スキルでは太刀打ちできません。
また、医学・薬学の英語論文や資料は、独特の表現・言い回しも多く、最も高度な翻訳の技術が求められるジャンルのひとつといえるでしょう。
3. 新研究の更新スピードが速い
「医学は日々進歩している」という言葉が、よく聞かれます。
それは、医学は日々研究が行われ、その進歩が速いという意味です。そのため、医学論文や資料では続々と新しい用語が登場し、読む側としても情報のアップデートを怠っていると、すぐについていけなくなってしまいます。
それは英語で論文を書く側も同様で、何か研究結果を発表するとしても、日々更新される用語でも最新の用語を使っていなければ、その論文は医療業界で認められない可能性が出てくるのです。
また、細かい表現やニュアンスがうまく伝わらないと、相手に論文を評価してもらうことも難しいでしょう。
医学・薬学の翻訳には、それだけ正確かつ最新の情報が求められるからこそ、難しいジャンルなのです。
4. 命を扱う医療だからこそ……
医療分野の翻訳が難しい最大の理由は、それが「命を扱う」ものだからです。
用語、表現……論文や資料を書くうえで何か間違いがひとつあっても、それを読んだ人が間違った治療を行い、患者さんの命を奪ってしまう可能性があります。
同様に論文や資料を読む側も、何かひとつ読み違えただけで、自身が診ている患者さんの生命に危機を及ぼすこともありえるのです。
たとえば新薬を開発し、行政からの認可をもらおうとしても、研究結果の資料にひとつでも曖昧な点があれば認められません。それがどれだけ素晴らしい新薬であっても、です。
それではせっかくの研究も無駄になってしまいます。
医療分野の英語翻訳には、文字どおり一言一句ミスは許されないのです。
5. 翻訳者にも専門知識が必要
ジャンルが幅広く、かつ専門的な内容が高度で、一字一句ミスが許されない。それが医療分野に関する英語翻訳です。そのため、医療分野の専門知識だけでなく、英語翻訳に関する専門スキルも非常に重要となることは、言うまでもありません。
もちろんほとんどお医者さんが英語を話したり、書いたり、読んだりすることはできるかと思いますが、それが論文や資料の翻訳となると、また別のスキルが必要になってくるのです。
それは英語から日本語に翻訳する場合も、日本ごから英語に翻訳する場合も同じです。
そこで、プロの翻訳者もしくは翻訳会社に英語論文の翻訳を依頼される医療関係者も、たくさんいます。
とはいえ、ここまでご説明してきたとおり、ただ英語から日本語へ、日本語へ訳せばよいというわけではありません。翻訳する側にも、医療に関する高度な専門知識が要求されます。
医療分野の翻訳の経験が豊富な翻訳者、翻訳会社でなければ対応することは難しいでしょう。
もし翻訳会社に医療分野の仕事を依頼したい場合は、どんな人が担当するのかを必ず問い合わせ、見積もりと併せて作業工程も確認してください。医療の発展のためにも。
お見積もりは無料です。お気軽に翻訳会社JOHOまでお問い合わせください。