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中国語翻訳のコラム

漢字の微妙な違いに隠された歴史的背景とは?中国語の豆知識

2016年12月16日

漢字の微妙な違いに隠された歴史的背景とは?中国語の豆知識

外来語と中国中国語は現在、母国語とする人数が最も多い言語であると言われています。英語が5億1000万人、ヒンディー語が4億9000万人なのに対し、中国語は8億8500万人とおよそ倍近い人数が母国語として話しています。
現在だけでなく、長い世界の歴史の中でも、中国は常に大きな存在感を示してきました。インド、日本、果てはヨーロッパまであらゆる国と交易を行ない、多くのモノとともに文化が流通していました。そんな中で中国では必然的に多くの外来語が翻訳され、使われてきました。ケンタッキー=「肯塔基(kentaji)」や、ベートーヴェン=「贝多芬(beiduofen)」などは有名な例ですが、英語からだけではなく、サンスクリット語から翻訳された言葉も多く存在します。
仏教用語などはその代表例です。日本語で言う「塔」は、もともとサンスクリット語でブッダの墓を模した建築物を示す「ストゥーパ」が「卒塔婆」と中国語に翻訳された後に日本に輸入され、やがて形が変わっていく中で一部だけ抜き取られたものです。その他にも、「輪廻」「世界」「慈悲」「因縁」などもサンスクリットから翻訳され、今でも日本で普通に使われています。
日本で現在つかわれている動物や植物の漢字も、そのほとんどが過去に中国で翻訳語として作られたものです。「駱駝」「獅子」「葡萄」などは秦や漢の時代に翻訳された、非常に古いものです。現在においては、多くの英語が中国語に翻訳されていますが、その中には意味を感じに当てはめたものと、ただ音をあてただけのものとが混在しています。漢字の違い中国語は同じ漢字だから読める。そう思っていたら、全然違ってびっくりした、という話はよくあります。日本語の漢字と中国の漢字は、もともとは同じものですが、異なる歴史を辿って簡略化されたためです。
漢字を用いる国は、日本、中国、台湾、韓国とありますが、その中でも台湾と中国の漢字を区別して「繁体字」と「簡体字」といいます。それぞれ漢字の複雑さとしては、繁体字>日本語>簡体字となっています。
たとえば「観光」は、繁体字では「觀光」となり、簡体字では「旅游」となります。中国で主につかわれている簡体字には、日本語とそっくりなもの――たとえば「吃(chi)=吃」等――と、まるで似つかないもの「业(ye)=業」などがあります。こんな差が生まれた理由は、中国が戦後段階を経て漢字を簡略化した歴史にあります。戦前まで、漢字を使う国々は共通して繁体字を用いていました。しかしその難しさから、戦後それらの漢字を制限、簡略化する動きが各国に生じます。日本はその中でもかなり動き出しが早く、中国は少し遅れて1956年に簡略化をはじめました。中国における最初の簡略化では、日本と同じレベルにまで簡略化されます。しかし、問題はその後1977年に行われた「第二次漢字簡化方案」において提案されたものでした。
先ほど紹介した「业」などはこの時に簡略化されたものですが、今度は簡略化しすぎて分かりにくいという国民からの反発により途中で中断されてしまいます。そのため、レベルの違う簡略化が行われた漢字が混在しているのです。キーボードでの記入方法中国語には基本的に漢字しか存在しません。日本のひらがなやカタカナのような独自のアルファベットは存在せず、使うときは「kǎlā OK(カラオケ)」のように、英語のアルファベットを混ぜて使っています。
しかし、手書きで書くときは大丈夫ですが、アルファベットしかないキーボードではどのように記入するのでしょうか。それを考えるためには、まず中国語の成り立ちを知る必要があります。中国語は発音を表す際に、「ピンイン」と呼ばれる英語のアルファベットと「声調記号」を組み合わせて用います。たとえば、先ほど外来語として紹介した「世界」は「shijie」というピンインに、「丶丶」という声調記号を母音の上につけて表します。同じ組み合わせが生じることは当然ありますが、その際は文脈などで判断します。さて、キーボードで打ち込む際には、主たるもので三つほど方法が存在します。
一つはこうしたピンインを利用するピン音輸入法、もう一つは、部首等を使って記入する倉頡輸入法、そして注音符号を主に用いる注音輸入法です。ピン音輸入法は主に中国本土、倉頡輸入法は香港、注音輸入法は台湾で用いられています。ピン音輸入法は英語のアルファベットを入力して候補を示し、TABキーなどを用いて発音記号候補を峻別していきます。倉頡輸入法は漢字を特殊な部位に分割し、キーボードに割り当てたそれらを組み合わせていくことで候補を表示します。たとえば、「輸」という漢字は「十十人一弓」と打ち込むことで記入することができます。

注音輸入法は、注音符号というピンインの古い型を用いますが、用法は基本的にピン音輸入法と同じです。実は、日本のパソコンでもこうした方法を用いて中国を記入することが出来ます。もともとパソコンのキーボードには繁体字、簡体字、そしてそれぞれの記入方法が登録されていますので、windowsであればキーボードからIME設定を行い、macであればキーボード設定から追加することで使用できます。

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