引用語句の翻訳について(英語翻訳)
お客様からご依頼いただく原稿には、時に定番訳がすでに存在する語句や文章が含まれる原稿をいただくケースがあります。
そんな時は、翻訳者が独自に訳すのではなく、その定番訳を探し出し、訳文にあてはめなければなりません。有名な書物の一節や映画のタイトルやセリフ、また音楽のタイトルや歌詞が、その対象になり、その判断には幅広い教養が不可欠です。
例をあげますと、旧約聖書の詩篇とし有名な”Lord is my shepherd. I shall not want.”という英文で、横浜の外国人墓地の墓標などに刻まれている有名な一節です。聖書ですから、もちろん定訳があります。「主は私の羊飼い。乏しくありません。」和訳するのが通例です。I shall not want.は、「私は望むことはありません」と翻訳すのが妥当に思えますが、やはり一般に知られた定訳が優先されます。
ただ、一般に知られている定訳が、実をいうと誤訳であったという場合もあります。その時は、私ども独自で訳を作成し、お客様にご判断いただくようにしています。
いい例が、ビートルズの有名なナンバーAll you need is loveです。この歌のタイトルは「愛こそは全て」として日本で知られていますから、直訳の「あなたに必要なものの全ては愛だ」など別の訳を当てることはしません。ですが、この曲は、歌詞の定番訳が実は誤訳だと言われています。それは、出だしの”Nothing you can do that can’t be done. Nothing you can sing that can’t be sung.” を「できないことはできない。歌えないものは歌えない」という部分ですです。
イギリス人は、定訳に首をかしげます。本来の意味は真逆だからです。これは英語特有の二重否定で、つまるところ、肯定的な意味を持つものなのです。だから正しくは「できないことはない。歌えないものはない」というものなのです。またネイティブ的なニュアンスでは、それに「自らトライすれば」という意味合いも含まれるということです 。
翻訳会社JOHOは、定訳を大切にしながらも、正しい翻訳の提供を心がけております。
翻訳マネージャー 山形
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