ローカライズ(localize) とは?翻訳との違いや対象となるサービスをわかりやすく解説
ローカライズ(localize) とは?翻訳との違いや対象となるサービスをわかりやすく解説
「ローカライズ(localize)って何のこと?」
上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
IT業界では良く聞く「ローカライズ」という言葉ですが、商品やサービスをグローバル市場に展開するために非常に重要な役割を担っています。
本記事では「ローカライズ(localize)とは何か」「具体的に何をするのか」について詳しく解説します。
【この記事を読んでわかること】
・ローカライズ(localize) とは
・ローカライズの重要性
・ローカライズを成功させるためのポイント
ローカライズの成功事例も合わせて解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
ローカライズ(localize) とは
ローカライズ(localize)とは「何のことか」「翻訳との違い」について解説します。
翻訳と混同されやすい「ローカライズ」ですが、作業内容や対象となるサービスに大きな違いがあります。
ローカライズの概要や翻訳との違いについて、それぞれ確認しましょう。
ローカライズとは何のこと?
ローカライズとは、特定の国や地域で受け入れてもらえるように、製品やサービスの言語やデザインを最適化することです。
日本では「地域化」ともいわれており、他にもLocalizationを略して「L10N」と表記されることもあります。
サービスを展開する国や地域の言語・文化・宗教・法律などによって、以下のような項目がローカライズの対象です。
【ローカライズで最適化する項目】
・テキスト
・デザイン
・画像
・カラー
・UI(操作画面やボタンなど)
・支払い
・配送
・カスタマーサポート
例えば、日本のアニメが海外向けにローカライズする場合、その国の文化や習慣に応じて受け入れられやすい設定や衣装に変更されることがあります。
ローカライズすることが目的ではなく、サービスを展開する国の人の体験を良くすることを意識して行うことが重要です。
ローカライズと翻訳の違い
ローカライズと混同されやすい翻訳ですが、以下のような違いがあります。
主に論文や映画の字幕などのテキストを他の言語に移し替える翻訳と異なり、ローカライズで最適化されるのは言語だけではありません。
「画像やカラーなどのデザイン」「UI(操作画面)」など、サービスを展開する国や地域に合わせてさまざまな仕様が変更されます。
翻訳は、ローカライズの一部であると考えて良いでしょう。
ローカライズの重要性
グローバル市場で商品やサービスを展開する上で、ローカライズは重要な役割を持ちます。
ローカライズの主な役割は、以下の通りです。
【ローカライズの役割】
・顧客満足度の向上が期待できる
・トラブルやブランドイメージ低下のリスクを回避できる
商品やサービスを展開する国や地域に合わせてローカライズすることで、ユーザーの顧客満足度の向上が期待できます。
例えば、ファストフード店のマクドナルドで販売されている「てりやきマックバーガー」などの日本限定メニューもローカライズ戦略の一つです。
日本人の味の好みや文化に合わせてローカライズされたメニューを開発したことで、日本人に愛される人気メニューとなっています。
また、その国ならではの文化や法律、宗教によるトラブルやブランドイメージ低下を回避できることも重要な役割です。
ローカライズの対象となるサービス
ローカライズの対象となる主なサービスを4つ紹介します。
・Webサイト
・アプリケーション
・商品・サービス
・マニュアル・製品ドキュメント
ローカライズする際のポイントや特徴について、それぞれ詳しく解説していきます。
Webサイト
Webサイトにおけるローカライズでは、対象の国や地域の文化・言語に応じてサイト内容やナビゲーションの最適化が重要です。
主に以下のポイントを意識してローカライズしましょう。
・多言語化した際のデザインやレイアウト設計
・正しい表現やニュアンスが伝わるかネイティブチェック
・ターゲット地域でのSEO(検索エンジン最適化)対策
Webサイトをローカライズする際は、多言語化した際のサイトのデザイン・レイアウト設計が必要になります。
日本語の文章を英語に翻訳すると長い文章になりやすいため、翻訳後の文字数に合わせたサイトを設計しましょう。
また、翻訳する場合はネイティブチェックを行い「正しい表現」や「ニュアンスが伝わるか」など、現地の方が理解できるようローカライズします。
さらに、Webサイトのアクセス数を増やすためには、ターゲット地域での検索キーワードを分析し、SEO対策を行うことも重要です。
アプリケーション
アプリケーションにおけるローカライズでは、アイコンやデザインだけでなく配信しているアプリストアの最適化も重要です。
主に以下のポイントを意識してローカライズしましょう。
・ターゲット地域に合わせたアイコン/カラーを採用する
・ネイティブレベルの自然な表現で翻訳する
・配信しているアプリストアの最適化
アプリケーションはユーザーの日々の生活に密接に関わるため、ターゲット地域のユーザーに合わせたローカライズが特に重要です。
サービスを展開する国や地域によって、好まれやすいデザインやカラーがあるのでターゲット地域をしっかりと分析しましょう。
また、アプリを快適に利用してもらうため、ネイティブレベルの自然な表現での翻訳が求められます。
ダウンロード数を増やすには、アプリケーション以外にも配信しているアプリストアをローカライズしましょう。
商品・サービス
ECサイトやサブスプリクションなどのサービスでは、ターゲット地域に合わせた言語・通貨に合わせたローカライズが重要です。
主に以下のポイントを意識してローカライズしましょう。
・ターゲット地域に合わせた言語・通貨・施策を行う
・ターゲット地域に合わせたUI(操作画面)デザインを設計する
・世界的に使われている決済方法を採用する
まずは、ターゲット地域の母国語に翻訳し、通貨や施策も現地に合わせましょう。
世界中の消費者を対象とした調査では、76%の方が母国語で情報がある製品の購入意欲が高まる※と回答しています。
※出典:CSA Research
また、UI(操作画面)デザインを工夫しなければならない一方で、世界的に共通している決済方法などは採用しておくことが重要です。
マニュアル・製品ドキュメント
マニュアルや製品ドキュメントにおけるローカライズでは、ターゲット地域に合わせたネイティブレベルの高品質な翻訳が重要です。
主に以下のポイントを意識してローカライズしましょう。
・ネイティブレベルの高品質な翻訳を行う
・文書内で使用する表現や表記を統一する
・固有名詞や専門用語の誤訳に注意する
企業が作成しているマニュアルでは、正しい表現や細かなニュアンスを伝えるためにもネイティブレベルの高品質な翻訳を行いましょう。
また、ターゲット地域の文化や習慣に合わせた表現や表記に統一することが重要です。
固有名詞や専門用語が多く含まれるマニュアルや製品ドキュメントを機械翻訳にかけると、誤訳される可能性があるため注意しましょう。
ターゲット地域に合わせて高品質な翻訳を行いたい方は、翻訳会社の活用もおすすめです。
ローカライズを成功させるためのポイント
ローカライズを成功させるためのポイントを3つ紹介します。
・文化・宗教など対象地域の理解を深める
・対象地域に馴染むデザイン・レイアウトを考える
・表記・用語を統一して翻訳する
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
文化・宗教など対象地域の理解を深める
ローカライズを成功させるためには、商品やサービスを展開する対象地域の文化・宗教などの理解を深めましょう。
国や地域ごとに言語だけでなく、文化・習慣・法律・規制など、それぞれ異なります。
ターゲット地域でサービスを展開するために、その地域について理解を深めて現地の人と同じ感覚を持てるようにしましょう。
また、日本では問題ない表現でも、別の国や地域ではマナー違反となり、トラブルやブランドイメージの低下に繋がることも少なくありません。
対象地域に合わせて顧客満足度を向上させるためにローカライズをするのと同時に、トラブルを回避することも重要です。
対象地域に馴染むデザイン・レイアウトを考える
商品やサービス展開する対象地域に馴染むデザイン・レイアウトを設計することも、ローカライズを成功させるポイントの一つです。
国や地域によって好まれるデザインが異なるため、ターゲット地域ではどのようなデザインが流行か確認してみましょう。
トヨタの日本版サイトとアメリカ版サイトを比較して紹介します。
日本版のサイトでは、画面上部にメニューが記載されていたり、トップ画像の下にお知らせなどの情報が確認できるレイアウトになっています。
アメリカ版のサイトは文字量が少なくシンプル、かつ車が走行している動画をトップページに設定してインパクトがあるレイアウトです。
上記のように国や地域に馴染むデザイン・レイアウトを設計することも、ローカライズ戦略の一つです。
表記・用語を統一して翻訳する
ローカライズを成功させるために、対象地域に適した表現・用語に統一して翻訳することが重要です。
社名やサービス名などの固有名詞は、翻訳した際に意味が通じなくなってしまったり、誤訳したりする可能性があります。
重要な用語はどのような表現・用語にするか統一するなど基準を決めておきましょう。
また、ユーザーが違和感を覚えないようにネイティブレベルの自然な表現で翻訳する必要があります。
ローカライズにおいて必須ともいえる翻訳ですが、翻訳サイトでは誤訳する可能性やネイティブな表現で翻訳できないこともあるでしょう。
正確に翻訳したい方は、ぜひ高品質な翻訳サービスを提供しているJOHOをご利用ください。
【翻訳サービスJOHOの特徴】
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ローカライズの成功事例を紹介
ローカライズの成功事例を紹介します。
・Netflix(ネットフリックス)
・マクドナルド
・メルカリ
それぞれどのようなローカライズ戦略をとっているか解説していきます。
Netflix(ネットフリックス)
Netflixは、ドラマや映画、アニメ、ドキュメンタリーなどの幅広い動画を配信している定額制のストリーミングサービスです。
主に以下のようなローカライズを行っています。
・国や地域の好みに応じて配信する映画やドラマを変えている
・ユーザーの住まいや言語設定を元に関連性の高い5〜7言語が表示される
上記以外にもローカライズしている点はありますが、配信作品や言語を地域に合わせてローカライズしていることが中心です。
その結果、190以上の国や地域で利用され、有料会員数は3億人を超えています。
それぞれの国や地域に合わせたローカライズ戦略が成功している証拠といえるでしょう。
マクドナルド
マクドナルドは、ハンバーガー店としてアメリカで創業されたファストフードチェーンです。
主に以下のようなローカライズを行っています。
・日本人の食文化に合わせて開発された商品がある
・海外でもその国・地域に合わせたメニューが開発されている
「てりやきマックバーガー」や「月見バーガー」など、日本人向けにローカライズされたメニューがあります。
日本限定メニューが大成功したことで、各国で現地の食文化に合わせた限定メニューが開発されるようになりました。
飲食業界でもローカライズ戦略が重要なことがわかる成功事例といえるでしょう。
メルカリ
メルカリは、スマホ一つで個人間で簡単にモノの売り買いができるフリマアプリです。
主に以下のようなローカライズを行っています。
・日本版とUS版(アメリカ版)でアイコンやロゴが異なる
・国によってメインカラーが異なる
メルカリでは、日本版とUS版でアイコンやロゴ、メインカラーをローカライズしています。
以前は、日本版とUS版のアイコンは同一でしたが、US版のリブランディングにより、アイコンだけでなくロゴやサイトデザインも変更されました。
US版のアイコンやロゴが青色になった理由は、色で「信頼」を表すためと競合サービスに青色がなかったためです。
同一のサービスでも国や地域差だけでなく、ブランディングやユーザーに伝えたいイメージによってもローカライズは重要といえるでしょう。
まとめ|ローカライズは対象地域の文化・習慣を理解して実施することが重要
本記事では「ローカライズとは何か」について解説しました。
グローバル市場で商品やサービスを展開するためにも、ターゲットとなる地域の文化や習慣を理解してローカライズすることが重要です。
ローカライズする際は、以下のポイントを意識してみてくださいね。
【ローカライズを成功させるためのポイント】
・文化・宗教など対象地域の理解を深める
・対象地域に馴染むデザイン・レイアウトを考える
・表記・用語を統一して翻訳する
ローカライズの成功に必須ともいえる翻訳ですが、正確に翻訳するためにも翻訳サイトではなく翻訳会社を活用することをおすすめします。
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・翻訳品質の高さが認められ国内外の政府機関から多くの依頼を受けている
・お客様の目的・使用用途に応じた表現になっているかネイティブチェックを実施
まずは「無料見積もり」や「電話相談」にてお問い合わせください。
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